今日の日に想ふこと（葦津珍彦（あしずうずひこ）さん）①

10月・11月は全国にあるほとんどの神社は大祭があったり小祭があったりと一年を通し一番忙しい時期、「祭典の多い月」 ではないでしょうか。自分もちょこちょこと知り合いの神社に呼ばれ、合間をぬって神祭りのお手伝いをさせていただいております。

神社の祭典は、88000社が包括されている 『神社庁』 と呼ばれ今は宗教法人になってしまってますが（それまでは国の管轄）、その組織が基となって現在にいたるまで神職の育成から指導。祭典の作法からその心まで管轄しております。管理人も、「産土様は神社庁に聞いてください～」 とよく使わせてもらっておりますが、知らない方も多いのですがこの神社庁、「庁」はついても国の機関ではなくこれは”宗教法人”の名前です。

そしてこの 『神社庁』 という不可思議な組織の創立になくてはならない方だったのが、「葦津珍彦（あしずうずひこ）さん」。今日はこの方のお話を少し。

「正確にいうと強力で有力な依頼者（神道を守ってくれという依頼者）はいなかったが、この現世にはいなかったが、神道信仰者だった幽世の亡父、その父だった祖父、その祖父の祖先の神霊が、絶えず私にせまって、その防衛（神道を守ること）の道から外れることを許さなかった」

「神道とは固有日本人の ”精神的核” である。神道は、神社を生み、神社は神道を民族心理の中に温存し保ってきた」

一般的に 「神道人」 といわれれば装束を着て祭祀を行う人のみを指すような空気が現代でも残っておりますが、この葦津さんは大東亜戦争がはじまる前から終わりに至るまでの83年間を神道家・神道人として生き抜いてこられたことは特に神職だけに限らず・・・・・・・今の日本人にも忘れてはならない方だと思います。


日本の敗戦と共に大東亜戦争（第二次世界大戦）が終戦を迎え、GHQ（アメリカ連合軍）の日本に向けての急務は大きく別けて二つ。

『天皇制の廃止』 と 『神道の解体』 でした。

国が国を支配する時、一番重要なのが「根づいた思想」をいかにコントロールするのか、、、、、、表だっての抑圧的な支配だけではいつ反乱が起きるのか分かりませんし（今のドロドロの中東なんかもそうですね） 食欲と性欲と娯楽にまみれ政治的な自立ができない日本人を作り上げるしか方法はない・・・・・・・

そこで一番活躍するのは 『布教』 になります。

一長一短はありますが、聖徳太子の時代に仏教が伝来して権力争いの道具とされたように、ポルトガル人が長崎にやってきて新しい文明（餌？）と一緒に布教を行ったように、宗教とは今の時代もそうですが人の心を根っこからかえれる力をもった、目は見えませんが恐ろしい一番の道具・・・・・「武器」と言い換えても良いかも知れません。（知っておきたい大人の社会学①）


・・・・・まぁこの辺りは今日のブログ記事の主旨とは違いますので割愛させていただきまして・・・・・・・


GHQ（アメリカ連合軍）が日本のこと、日本民族のことをあれこれ調べて研究し、どのような落としどころでこれから自分たちの国（戦勝国）にとって有利になるようにと展開していた頃、日本人にも優れた知識と胆力を備えた方たちがいらっしゃいまして・・・・・・・そのお一人が 「葦津珍彦さん」 です。


実験のデータをとるために、敗戦まじかの日本は大きな爆弾を二つ落とされました。（被爆者の方々は一切の治療を受けてないことが判明されております・・・・）

敗戦が決定すれば、戦勝国が心理的作戦を行い神社行政がまず根本的に変革されると予見していた葦津さん達は、「神社を四分五裂され、神社の精神情勢を一挙に変質されることは、民族の精神的存亡に関する」との危機感を強め、「国体=神社や神道の保持」 を第一目的として奔走されます。

・・・・・・で、創立されたのが 『神社本庁』 と名のつく宗教法人。

昭和20年に敗戦し、次の年の昭和21年には全国のほとんどの神社総意を受けて設立されておりますので驚くべきスピードです！

ここに神社界は一応の大同団結を果たして、新たに出発することになったのです！

・・・・・・ですが。


ただでさえ混乱を極めた戦後、まもなくの浅い日に神社本庁は、『神道令』 によって分断された内務省の外局・神祇院の業務を引き継ぐ形となりましたが、それ以降も占領軍のプレッシャーやら干渉、全国の神社関係者の動揺や不安の中にあって設立当時は内部でもいろいろな論争がなされました・・・・・・・・

内部での一番の議論は神道の根幹にもかかわる大切なところで、


「宗教法人というのだったら教義は必要ではないのか否か」


という内容です。（“道”と”教”の違い（なぜ今、神道なのか①））


つづく。

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