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魔法の杖を持った神の話⑪

  • 2012-03-06 (火) 17:54
  • 神様

つづき。

「・・・・・・ギギ・・・ギ・・・・・・・・・・・バキッ!!」

ついに開いた、桐箱・・・・・・急いで覗きこむ、3人の兄弟達・・・・・・・・な、なんとそこの箱の中身は・・・・・・・・・・・・来月に続くっ!!・・・・・・ってなことはありませんが、なんとそこには、汚い河原の石がゴロゴロと・・・・・・・・・・・一同、あっけにとられて開いた口が塞がらない・・・・・・・・

「な、なんだこりゃっ!!!」



最初に口を開いたのは、次男の男でした。

「・・・・ま、まさか、、、くそっ、、、、一本食わされたぞ!あのクソ親父め!!」

しばらく呆然と眺めていた長男が、そのうち静かに笑いだします。

「・・くっ・・・・・くくっ・・・・・・・・・あっははははははっ!!・・・・・・・まぁこんなことだろうと思ったぜ。世の中、そんなに甘くはないしな。仕事人間だった親父もあれだ、”この石が財産になるように磨きなさい” な~んて、最後の最後までオレ達に説教垂れたかったんじゃないのか??」

「あ~あ、、、、本当にがっかりだわ、、、、、最後の最後まで父に泣かされるって悲しいやら悔しいやら・・・・。これで傷んだ店の補修も、もっと立派に出来ると思ったのにね・・・・・・・・。まぁ父らしいと言えばらしいわね・・・・・・・ふふふっ・・・・・・・・・。」

それでも怒りの収まらないのは次男でした。

「ちくしょう、こんなの認めないぞっ!!オレ達のことを最後の最後まで考えてないクソ親父めっ!!ちくしょう!!!あんな親父、事故に遭って死んで当たり前だっ!!母や家や、オレ達をないがしろにした罰があたったんだよっ!!くそぉ・・・・・・!」

怒りに任せて、次男は思いっきり石の入った桐の箱を蹴り飛ばす。

「もうおよしなさいよ、この立派な桐箱だって売ればもしかしたらお金に・・・・・・・・」

そう言いかけた長女の目に、石にまみれた小さな箱が目に入ります。

「・・・・あっ、ちょっと待って!!中にもう一つ箱が・・・・・・・」

目を合わせる3人。しかし、さっきの事もあってかすぐには動こうとはしない。

ゆっくりと長男が小さな箱を拾い挙げると、今度はさらにゆっくりと丁寧に小さな箱を開く。そして中を覗き込んだ瞬間・・・・・・・・・中を静かに眺めていた長男は、そっと箱の蓋を閉めると二人の妹と弟にその箱を渡し、おだやかにこう言いました。

「・・・・・お前達も開けてみろ。」

先に奪い取るように箱を掴み、中をみてみる次男。

「・・・・な、なんだこりゃ??・・・・・・・・・・・・・・これは・・・・・・・・・・」

中に入っていたのは、おそらく相当に不器用な人間が折ったであろう、古ぼけた折り紙の鶴が一匹。何かを思い出すようにしばらく眺めていた次男でしたが、フト何かを思い出して急に目に涙を浮かべ始めました。

「・・・・・・・・こ、これは・・・・・・・間違いない、オレが七つになった頃、親父の誕生日のお祝いに折った鶴だ・・・・・・渡したことさえ今でも思い出せねぇが・・・・・・間違いねぇ・・・・・・・・・・。」

「ちょっと!!これを見て!!この手紙!!・・・・・・この手紙は私が小さい頃、父がいないと良く泣いて寂しがってた時に、母が”一緒に遠くにいる父様に手紙を書こう” と書いた手紙だわ・・・・・・・懐かしいなぁ・・・・・・・・・・」

「一緒に入ってる竹トンボは、まだお前達が生まれてない時にな。土産で親父に貰った竹トンボを遊んでいるうちに壊してしまってな、泣きじゃくるオレに ”男なら泣くんじゃない!” と思いっきりゲンコツを食らった覚えがある。・・・・・・・親父も気にしてたんだな・・・・・・・・・・・またどこぞで買ってくれても、忙しさで渡すのを忘れてしまって何だか親父らしいな。」

・・・・それぞれの、父が最後に残した遺産・・・・・・・父が大切にしていた”宝物”を手にして3人は立ちつくしました。妹と弟の目からはポロポロと涙がこぼれ、長男は静かに目を閉じしばらく思いにふけっておりました。

「不思議なことだな、、、、オレ達が渡したと思ったものが、また父から渡されるって。頑固で無口な親父だったが、どこに行ってもオレ達3人のことを第一に考えてくれていたんだろ、きっと・・・・・・・。距離はあっても、思い出は少なくても、知らないところでオレ達もたくさんのモノを親父から貰ってきたはずだ・・・・・・・オレにこの家が継げるのかなぁ・・・・親父みたいに立派に守れるか、なんか心配になってきたぞ(苦笑)」

いつしか微笑みあう3人・・・・・・・・

どれぐらい時間が経ったのか、さきほどの爺さんの姿はそこのはなく、残っていたのは・・・・・”折れた杖”だけ。

しかし、その3人の幸せな気分もそう長くは続きません・・・・・・・遠くから聞こえる悲鳴のような叫び声で、一気に現実へと戻されました。

「た、大変だぁ~・・・・・庄屋の若旦那、大変だぁ~~~~!!!」

「・・・・・ん?どうしたんだ、田吾作?何をそんなに慌てている?」

「・・・・はぁ、、、はぁ、、、そ、それが、、、はぁはぁ、、、、、、それが、突然、山の向こうの村からやってきた、、、はぁ、、、、、、戦の残党どもが、、、、おら達の村の田んぼを、、、、、、、はぁはぁ・・・・・・・・・・」

「な、なんだって!!」

つづく。

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コメント:5

ひろこん 12-03-06 (火) 18:33

泣けました(;_;)

金シャチ 12-03-06 (火) 21:23

あらーーーっ

杖がーーーっ

親として泣けます
子としても泣けますヨ~(年は関係なく子です笑)

山田の爺さん・・・御神名は・・・?

山田・・・にヒントありますか?

田んぼ・・・には?

有るとしたら。・・・

よく知っている 別のお名前をお持ちの方ですか?

この連載、小冊子にして販売してくださーーーい!!

忘れてはいけない事、心の支えにしたい事がいっぱいです。
忘れてはいけない事も・・・

そばに置いて、何度も読みかえしたいです。

己亥ママ 12-03-07 (水) 0:43

こんばんは!村雲さん。
杖がとうとう折れてしまいましたね…(泣)
ねぇ~今度こそ本当に絵本、大人に読んでもらいたい絵本を作りましょうか…
なんだか…このままでは勿体無い気がしてならない。
これからの日本を担う子供達にも、今を悩みながらも頑張って生きている私達大人の為にも書店に列ぶ絵本にして残したいな。でなきゃ、あなた以外神様のお話を誰もこの様に語ってくれない…
語れない。

自分の足や心で人生を歩めるように、後ろから押してくれる見えない勇気がいっぱい詰まってる事に気がついたから涙が溢れ出るのよ。

心が疲れたら休めばいい。だけど、休み方が解らなくて、ただ布団にくるまって1日を過ごしている人や悩みの中に浸りすぎて休めない人がいたら、このお話を読めばいいな…

目が不自由な方には、読んで差し上げたい。私は、心からそう思うし、そう願っています。

摩訶不思議 12-03-07 (水) 15:39

己亥ママに大賛成!
日本式イソップ寓話ですね。
この話は村雲さんの作品?
なんとなく小さい頃聞いた事があるような気が。。。
10を読んでいるとき箱の中身は石だとわかったし4の話の時もすずは元の親の所に行きたいと言うことがわかったし、これってデジャブ?本当に聞いた事がある?年の功で内容が解ってしまう?もう〜ワカラン!やっぱりアルツハイマーだ!

管理人 12-03-07 (水) 21:01

ひろこんさん
ありがとうございますっ!書いてて夢中で読み返しておりませんが、今からじっくり読み返しをさせて頂きます~!

金シャチさん
ありがとうございます。まぁ神様の名前は最後に書かせて頂きました。途中でも良かったけど、書くタイミングを逃してしまって(苦笑)

己亥ママさん
ありがとうございます。自分はあまり人を特定せずに、一人でも多くの人に読んで貰えたら、、、、、ネタにされてしまった神々様も苦笑いして許してくれるかも、、、、です(笑)

摩訶不思議さん
ありがとうございます~・・・・・・ってか、アルツハイマーではないでしょ(笑)なんか、、、、いまどきの「スピリチュアルの発生」を垣間見た様な気分・・・・・・ちょっと気をつけられた方が良いと思います(笑)

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