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自然から愛された神。五十猛様のお話③

  • 2014-11-24 (月) 18:08
  • 神様

つづき。

今では福岡市内から車を飛ばせば三瀬トンネルを抜け、山を一つ越え一時間もあれば佐賀にはいれるわけですが・・・・・・当時はどれぐらいの時間がかかったのでしょう・・・・・・・。

十数名の供を引き連れ途中、土着の村人たちと会話をしながら時に食料を求め、時には物々交換をして丹生一族の情報を仕入れます。


なによりも五十猛様の目を奪ったのは、やはり自然の美しさ。同じ山々に住みながら一歩違う山にはいればそこでまた実っている自然の恵みや違う種類の草木。五十猛様は珍しい草木の種を腰に下げた布袋におさめ、峠から大きな山まで踏みしめます。それは軍をおこして攻め入るのとは反対にゆるりとした旅路となりました。



山を越え今の「佐賀平野」と呼ばれる広大な広い土地の入り口にある、ことさら大きな集落、、、、、『吉野ヶ里』 に着く少し前に部下がある情報をもってきました。

「五十猛様。申し上げます!」

「うむ。どうした?」

「はっ。近隣の村人の話では、昔と違って今の丹生族は経済的にかなり弱くなっているそうで・・・・・あの一族も一枚岩ではなく、今では少数の集団にわかれているそうです。なんでも昔より掘っていたみづかねがほぼ尽きてしまい、同じ部族同士の小競り合いが起きたと。そこからあるものはさらに南へ。あるものは東へと別れていったと。」

「・・・そうか。ここも土地の取り合いがあったか。今の族長に会いたいのだが、なんとか居場所を聞き出せるであろうか。」

「はっ。もうしばらくお待ちください。調べて参ります。」


数名を残して部下の者たちは散り散りになり、四方に走っていきました。

五十猛様は目の前のある、大きな沼の前にあった岩に腰をかけ部下の帰りを待ちながら報告を待ちます。


(この辺りの土はまた一風変わっておるな。水はけが悪く、土がまるで粘土のように粘っこい、、、、これもまた、面白い土地じゃの・・・・・)


ぼんやりと沼を眺めていると、そこに突然、一匹の真っ白な魚がぬるりと沼を泳ぐ姿が目に映りました。


「なんと。この地では魚は白いのか!おい、誰かあの魚を捕まえて参れ・・・・・・・しかし、白い魚がこの世に存在するとは!・・・・・・・・む、もしかして白の魚とは、これはこの地の神の使いやも知れぬ。決して傷をつけぬように丁重に捕まえるのじゃ。」


数名の部下が沼に入り、一緒に五十猛様も泥まみれになって魚を追います。

いつしか時も旅の目的も忘れ、腰まで泥につかりながら必死で魚を追う五十猛様と部下の者たち・・・・・・魚はどうやら、この沼に住むナマズのようでした。


(泥に住む神の使いはナマズであったか。これは瑞兆か、それとも不吉の前触れか・・・・・・・・)



「無礼者!!!そこで何をしておるっ!」


突然、凛と響く女性の声。

五十猛様が泥だらけの顔を上げると、そこには着ている着物はそう豪華ではありませんでしたが鋭くとがった目と厳しく引き締めた口には高貴な雰囲気を出した、美しい姫神が一人、供もつれず立ちこちらを見下ろしておりました。


つづく。

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