- 2013-03-12 (火) 21:35
 - その他
 
				つづき。
				
				「うっ、、、うっう、、、、、えーん、えーん、えーーーーん!!」
				
				静かな真っ暗闇の世界の中、『音』が生まれました。はじめは微かに聞こえてきた音、、、、、よーく耳を凝らしてみると、長い長い歳月をかけて、それは女の子の泣き声となっていきました。泣き声の主はそう・・・・・あの、人の形をした泥の人形です。
				
				その泥の声に触発されたのか、いつしかまた音が聞こえ、次第にそれはたくさんの多くの「声」となってあちこちから聞こえるようになってきました。そのほとんどが、声といってよいのか解りませんが、「音」に近い「声」です。
				
				
				
				「ううっ・・・ぐぐっ・・・・・・」
				「うおおおぉ・・・・・・・・」
				「ああぁぁぁ、、、、、ああぁぁ、、、、、、、」
				「・・・・・・ぶつぶつ・・・・・ぶつぶつ・・・・・・・・・・・・。」
				
				悲しい声。くぐもった声。時には獣のような叫び声。
				
				あちこちから聞こえる声は紛れもなく意思をもった泥の声。怨嗟の声でした。
				
				「・・・た・・・・助けてくれ・・・・・・・」
				「苦しい、、、、」
				「・・・・・痛い、痛いよぉ・・・・・・・・・・・」
				「楽になりたい。楽になりたい・・・・」
				「なぜなぜ、、、、いったいなぜなんだ、、、、、、」
				「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう」
				
				泥は腐臭を放ちつつ、その女の子の声で泣く泥の人形を中心にして盛り上がってはつぶれ、つぶれては盛り上がり・・・・・・・・ついにその声は天界にいる神様の元へ報告があがるまで成長してしまいました。
				
				「大変です、神々様。以前より不穏な兆しがあると知らせがあり監視しておりました界が、どうやら収まらずどんどんと状態は酷くなる一方だと報告が入っております。」
				
				「むむ、、、、、それは地獄界の話かの?しかし、地獄界は今はいざなみの神や仏界の閻魔大王や泰山信仰の泰山府君らがその界を正しく治めておると報告が上がっているが・・・・・・・」
				
				「いえ、それが地獄界ではないらしいのです。」
				
				「むむむ、、、、、それでは天狗界かの?」
				
				「ち、違います!天狗界はつい最近、わたしはお使いでうかがったのですが、大小の天狗をあわせ空津彦様も時々、猿田彦様も降られてはきちんと治められておりました!」
				
				「むむむむ、、、、では一体、どこの界のことを申しておるのじゃ!!」
				
				「は、はい!・・・・なんでも地上におられる天乃益人ら(神様の子孫=人間)の罪や穢れがどんどんと増えて参りまして・・・・・・・瀬織津比売(せおりつひめ)様・速開都比売(はやあきつひめ)様・気吹戸主(いぶきどぬし)様・速佐須良比売(はやさすらひめ)様(すみません、ご神名間違ってたんで一部修正・・・・すみません(汗))の祓戸四神様の力をもってしても流されきれないものが溜まってまいりまして・・・・・・・・・・今では”魔の住む界” 魔界と忌み嫌われております・・・・・・・・」
				
				「なんじゃと!神の中でも力をもつあの4神の力でさえ流しきれぬとな?!なぜ早うにそれを言わぬ、バカモノ!!」
				
				急いで天界の主たる神々は召集されました。
				
				「さて、どうしたものか・・・・困ったものじゃ・・・・・・・。」
				
				「なんでも祓戸の神々の手にも負えないそうじゃ。」
				
				「そうじゃ!!天乃益人らの”欲”を無くす方向で行くのはどうじゃろうか?」
				
				「だめじゃだめじゃ、欲は天乃益人らの成長をうながす大切な要素。人間だけの欲を無くすのは無理があるぞ。」
				
				「だったら、他の動物に落とすのはどうじゃ?」
				
				「いや、昔も人間は動物じゃよ。今は妙に脳みそが発達して己らで己らの首を絞めておる。また動物の知能に戻しても同じじゃろう・・・・・・・」
				
				「よし。それならば、天乃益人の界(人間界)の社に降っておる人間界により近い神々(神霊様)の力を借りて、もう一度人間にあまたの教えを問うて働きかけさせるのはどうかの?」
				
				「・・・・・それも無理じゃよ。今では天乃益人らは、その神々が祀られておる社にまで行って欲をぶつけておる始末。その欲の為に国や地域を守る神々は力を使い果たし、いつ使いを送っても神々はほとんど社でもゆっくりできぬ始末じゃ・・・・・・・・」
				
				「さて、どうしたものか・・・・・・・」
				
				「一層のこと、山を噴火させ地を怒らせ海を揺さぶりて、もう一度昔の人間たちの心に戻って貰うかの?」
				
				「いやいや、それは最終手段じゃ。なによりも地域や人を守り、わずかながら人に影響力を持つ神霊たちが納得すまいし、何よりも悲しむのは神霊じゃろうし・・・・・・・」
				
				「よし、こうなったら直接、天乃益人らの心に働きかけるか?」
				
				「それも止めた方が良い。あやつらはそれを”霊能者”と呼び、勝手に特別な人間として崇める者もおれば、さらに欲をまして余計にまっとうな人の道を欲によって外す者も多いと聞く。欲が欲を生んでしまうだけじゃろう・・・・・・・・それに下手をすれば、どこぞの界のものが入り込み、天乃益人だけでなくどこぞの界のものも、それぞれのさらなる欲を増させるじゃろうしの・・・・・・・・・」
				
				「さて、困ったの・・・・・・・・・・・」
				
				「さて、困ったの・・・・・・・・・・・」
				
				・・・・・・こうして天界の神々様の会議は続くのでした。
				
				つづく。
				
				
				
				
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コメント:6
- ようこ 13-03-12 (火) 23:19
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初めましてこんばんわ。
最近村雲さんの過去のブログからいろいろ拝見しています。
いろいろみているうちにだんだん気持ちが楽になってきました。
ありがとうございますっ - さまよう羊 13-03-13 (水) 0:39
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一応、、人間会の端くれである、まともであろう、数多の企業の諸会議では、、『代案無き批判は却下!』が筋であり、ルールでもありますが、、神々の会議のルールが垣間見えぬ、私には管理人さまの御指導も予測出来ませぬ。(;^_^A
 - 神奈 13-03-13 (水) 7:49
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おはようございます。
わわっ、神様めっちゃ困ってはりますね…!!
こういう風に見てみると、村雲さんが仰ってらした様にどうしようもない孫に手を焼いている祖父母みたいと思っちゃいました(笑)
さて、神様方の決断や如何に…?! - 編 13-03-13 (水) 10:10
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お、おもしろい…
 - 夕暮れの鳩 13-03-13 (水) 18:29
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嘆いてはいけないのかしら…
 - くみこ 13-03-14 (木) 0:00
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神々様方の困り果てたお姿…、私達の罪や穢れでこんなにも悩まれていたとは。
ああ、ごめんなさいっ!! 






