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努力と天才の神のお話 ②

続き。

「これ、道真。お主も少しは愛想良く笑えぬか。いかに才能に溢れていても、世を渡る才だけは無に等しいと見えるの。はははは」

「・・・・これは島田様。私はただ、わたしの信念を貫くのみ。いかに人が私の悪口も申してみても、天に背いたつもりもなければ恥ずかしい事をした覚えはありませぬ。」

島田忠臣(しまだ の ただおみ)様、道真様よりも17歳年上の方で漢詩の詩人として高く評価された道真様の師にあたる方です。特に文章博士の地位にあった道真様の父、菅原是善(すがわらのこれよし)公に特に愛されその願いによって道真様の歌の師匠となられた御方でした。



「しかしの、道真よ。人とは、己を見るより人を見る目の方が多くついておっての。人が輝けば輝くほど、目をまっすぐに向ける人間は己も輝こうとする。他人の輝きより目を背けるものは、己に蔭が落ちいずれ蔭の中でしか生きれなくなる。蔭で生きる人間とは、その身は嫉妬と恨みに明け暮れ、そこより永遠に逃れられなくなるものじゃぞ。お前の眼はどこに向いておるのかな?」

「はいっ、私の眼はいつも天に向かって真っすぐに。ありがたいお言葉、肝に銘じておきます。」

元々持っていた天賦の才と、それを上回る努力の結果・・・・・道真様は順調に栄進を続けました。ただ純粋に学問に打ち込みたい、ひたすら己を厳しく律し魂を磨く為に。30歳の年となり、師である島田忠臣様の娘、島田宣来子(しまだののぶきこ)様と結婚され、身も心も充実していかれます。しかし、、、、その栄華とは裏腹に、人の嫉妬は消えるどころかますます大きくなっていくのです・・・・・・・・・・・

「おい、知ってるか。あいつは土師(はじ)氏の出。しかし、名と違って本当に”恥”を知らぬ愚か者じゃの(笑)」

「その前の祖は、野見(のみ)氏らしいな。その名の通り、ノミの心臓ではないか、はははははっ!」

「結局は家柄と親の七光であそこまで行った、単なる運が良かっただけじゃの。」

人の嫉妬とは情けないものです。

天穂日命様・野見氏・土師氏と続く立派な家系、そして努力家の道真様。しかし嫉妬の声は後を絶ちませんでした。一つの理由として、土師氏とは元来、天皇から認められた埴輪を作る一族。埴輪とは、第11代垂仁天皇(すいにんてんのう)が崩御された時から殉職者を減らす為に埴輪は作られたのですが(それまでは側近や侍従が一緒に埋められる事が多かった)「埴輪を作る」とは、=「死人を作る」。という意味合いがあり、特別職にあったにも関わらず蔭ながら差別されやすい一族だったのです。(ちなみに土師氏とは”土の師”からですね。)

そして道真様が43歳の時・・・・・・・・

時代の流れ、たった一つの人の心のすれ違いより起きた”ある事件”が、道真様の運命をその後大きく変える事になります。これが天皇や関白、ひいては市井まで巻き込み国政まで一時的に滞ってしまった、 『阿衡事件(あこうじけん)』 と呼ばれるものです。

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続く。

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コメント:7

さわ 10-12-18 (土) 23:21

きれいな詩だけど、少し変わった魅力ですね。政治家では危ない。

マルッチ 10-12-19 (日) 20:44

こんばんわ~

ほとんど関係ないですけど、村雲さんが好きな言葉、励みにしてる言葉があれば教えて下さい。

kabosu 10-12-19 (日) 21:18

村雲様

島田忠臣様の言葉も・・重みがありますね・・。
心に刻んでおこう・・。

erly 10-12-19 (日) 21:21

潜在意識から飛んで参りました

初めまして

とても謙虚で心が綺麗な方だと感じました
私もそのような姿勢を大切にしたいと感じております

↑日記とは違う内容になってしまいました笑

サファイア 10-12-20 (月) 19:34

管理人様

清明水を試しました。
洗面器にお酒(日本酒)、入れたお酒と同量の水に少量の塩を入れて、混ぜたのを体にぬって、最後にシャワーの冷水で流しました。
そうしたら気分爽快って感じですよ。
ありがとうございます。

清明水に使うお酒は、フランスやイタリアではワイン、アメリカではウィスキー、ロシアではウォッカなんだろうかと…しょうもない疑問が…。(笑)
では、良い年をお過ごしください。

高野山学侶 10-12-20 (月) 23:17

なんぼ祖先に当たるといっても遠すぎるけど守護してくれているんですかね…

管理人 10-12-21 (火) 0:52

さわさん
そう、危ない危ない。

マルッチさん
「適当に頑張る。」「少しずつ、少しずつ・・・・」ですかね?

kabosuさん
ありがとうございます。自分もたくさん学ばせて頂きましたmm

erlyさん
ありがとうございます。またお暇な時にどうぞ~

サファイアさん
ありがとうございます。サファイアさんも良い年末年始を!

高野山学侶さん
何千人、何万人って子孫様もいらっしゃるでしょうからね(汗)遡れば大抵は皆、同じ先祖から来ています。。。。

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