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神様物語⑤ 小柄な老人

  • 2020-01-24 (金) 18:32
  • 神様

つづく。


「人をまとめる。人と協力をする。その中で事を為す。またその中で、己自身成長する。」

ゆっくりと噛み締めるように、老人は口を開きます。

「それには1人ひとりの顔色を窺ってもしかたない。腹の中の中までは誰にもわからぬしの、当の本人さえ、自分の本心をしっかり掴んでいる人間の方が少なかろう。

機嫌をとっても仕方ない。おだてることも、褒めることも、必要じゃが・・・そう重要ではない。

すべてを本心で話しても、嘘をついても・・・・これは生きる上で仕方ない、”必要なこと” かも知れぬが、大切なことではないの。」


「・・・・・・・・。」


「”どんな生き方がしたいのか” それが解れば、ただの思いつき。それを実行に移せば、それがようやく信念となって言葉にせずとも人に伝わる・・・・まぁ、言葉にすればそんな所かの。」



「己の人生。たとえ、嘘ぶいて生きても、本心で生きても、多くのことに成功しても、たくさんの失敗をしても、喜び多くても、悲しみ多くても、それは振り返れば肉体がある内の、”よい想い出” にはなろうが、並べて見比べれば、そうたいした人生じゃないの、はははははっ。」


掴みかけた答えがあと少し、手の届くところでふいに羽根のように青年の指をすり抜け、天に舞いました。


「わしの、これももっともっと古い友人がの・・・”燃ゆるも消ゆるも越えるも退くも天も地も、すべて己の中にある” と人間に伝えておったが・・・・・

・・・・まぁ、どんな人生でもわしらより見れば同じ。似たり寄ったりじゃ。

褒めもされんし、貶しもされん。そんな意味じゃの。

正義を追いかけても誠意を追いかけても、金を追いかけても、女を追いかけても、信仰や宗教を追いかけても、社会的な立場や名誉を追いかけても、好きにして良い。

理屈だけは3人前の今の時代の人間なら、幾らでも良い・悪いの理屈はつけられようし。

しかし、憶えておかねばならぬ事はの。

己だけの欲、己だけの平和、己の家族だけを含めた幸せ・・・手に入れれば、入れた瞬間から失う・・・・言い換えれば、「次の欲」 が湧いてくるのみ。」


「そ、それが人の幸せではないのでしょうか・・・?生き方として、間違っているのでしょうか?!」


「幸せかどうかは、わしにも分からぬ。生き方として、正しい・間違っているは、ないの。ただし、無駄とは言えぬ、やはり生きていく為にはその欲を満たしていくことが重要じゃの。」


「・・・・・・。」


「満たすことは大切じゃが、欲を追っても ”追うだけ” で人生を終わらさぬことじゃ。

人はの、”夢” を追って生きねばならぬ。

いくつになっても大きな理想・・・そうじゃの。己も家族も知人も、見知らぬ人も、環境も自然も社会も、すべて一つの餅にしてコネコネした理想じゃよ。

人が何故、人を愛し、信頼し、尊敬し、付いていくか。それはの、”安心” するからじゃよ。

表面はの、その時の欲や想い、その時の考えや感情で人は流される。流されても、大地のように決して動かぬものが心の底の底に流れておかねば、人はその者に対して安心はせぬ。」


「む、難しいです・・・・」


「難しいかの、はははっ、難しいじゃろう?お前さんの年で、そう簡単に分かられたら神も仏もいらぬわ、ははははははっ。」


一通り笑い納まると、老人は話を続けます。


「その昔の男はの。まぁ、積み重なる問題に人の評価や想い。己の立場と責任と重圧。それを魔法のように次々と解いていったのは、もちろん、その男の努力じゃったが・・・・気づいたんじゃの。

すべての問題を解く鍵は、己がまず ”どういう生き方をしたいのか”・・・・が大切なことじゃと。

その男は土の声を聴いた。そして、土と語らった。

最初は多くの民が、ボンヤリと海を眺めていたかと思えば、急に飛び込んで潜り、地べたにあぐらをかいたまま一晩過ごしたかと思えば、次の日は藁をひいて星空を眺めいびきをかいていた男の姿をみて、頭がおかしくなったと騒いでおったがの、ははははははっ!

・・・気づけば、、、その男のどこかで一貫性のある行動や、話せば深い想い、それに触れれば ”この男に協力しよう””この男と共に生きたい” と本心から思う人間も多く現れはじめた。

・・・それが ”感動” と申すものかの。

表面は揺れる炎も、波立つ海面も、切り立った山々もの、すべては大地ひとつで繋がっておる。


お前さんは、まだ若い。・・・年もそうじゃが、地面の上に立ち、外の声ばかりを拾っておる。仕事の質や内容、人の評価や想い。家に帰れば家庭というもう一つの世界。生きる上では重要じゃ。すべてはお前さんが大切にしているもの。決して、バカには出来ぬし、粗末には扱う必要はない。

でもの、それよりも大切なもの・・・それはお前さん自身、お前さんの生き方じゃよ。誰のものでもない、お前さんの人生じゃろう・・・?」


ほとんど口調は変わっていない筈なのに、老人の声は温かく、さらなる温度をおびて青年の心に真っ直ぐに伝わってきました。


しばらく沈黙の時間が続いたでしょうか、、、、、。


今までにないぐらいの温かい、そしてゆっくりとした口調で老人は青年に問いかけました。



「さての。そろそろ夜も更けてきたの・・・お前さんの嫁さんもそろそろ帰ってくる頃じゃ。

最後に訊くが・・・・・

お前さんは、”どういう生き方” がしたいのかの?」



つづく。

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コメント:1

まこ 20-01-30 (木) 10:32

神様のお話なんでしょうけど、私はおじいちゃんの話してくれる内容を自分に落とし込みたくて、何回も見てしまいます。
続きが気になります!

コメント
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