小さな少年の小さな夢。③

つづき。

その反面、ある人に誘われ夏休みで働いた、職人の世界が楽しくて楽しくて仕方なく、また周りは大人ばっかりの中で若い青年はかなり可愛がってもらってましたからね、、、、

「自分は何のために学校に行ったんだろ。」

「これなら働いていた方が良かったかも。」

「自分は一体、これから何を目標にどう生きるんだろ。」

とにかく分からないことだらけのまま、気が向くまま特進クラスの授業をさぼってはこっそりとアルバイトで働きにいく日々・・・・ついに、担当の先生からは「これに親のサインをもらってこい！お前のようなクズがクラスに一人でもいると、それが腐ったミカンと同じで皆の足を引っ張るんだよ！」 と 『退学届』 と書かれたプリントをもらったのは、一度や二度ではなく、帰りに自転車をこぎながら千切って捨てました。・・・・・最後は家に電話され、両親も学校に呼ばれていましたっけ（汗）



そんなこともあり、高校の三年間を過ごして、気づけば友達といえる人間は中学からの連れで同じ高校に行った一人だけでした。



親には、「大学の入学金は出すけど、あとは自分でなんとかしろ。」と言われました。

まぁそれぐらいはどうだって良い。

そもそも自分は大学に行くつもりもないと鼻でわらって、高校の卒業と同時に引き続き職人の世界でのバイト。夢にまでみた高校卒業です！

大学受験はいくつか受けましたが、当日にマンガを持っていきこれ見よがしに読んでいる始末、、、これで大学が受かるはずがございません。


ありがたいことに、汗水流して働くことだけは嫌いじゃありませんでした。

とにかく中学のつまづきと、高校、そして大学受験の失敗で長年蓄積されたフラストレーションが爆発させられた肉体労働は、どんな過酷な仕事でも楽しくてしょうがなかった。

どんなに怖かった職人さんがいても、心からの笑顔で必死に働くその青年をとてもかわいがり、褒めてくれてましたからね（笑）

青年にとって、その時が一番まっすぐに生きれている気がして幸せでした。


高校を卒業してすぐ肉体労働をしながら 「違う世界にも入ってみたい！」という動機と、「車の免許を取りにいくお金」のために夜も働きだした居酒屋さん。


サラリーマンは、どいつもこいつも会社の文句か人の愚痴ばかり・・・・・


「自分が働きだしたら愚痴なんか絶対に言わない！！言うぐらいなら辞めればいいやん！」


やればできる。と中途半端にできた青年の、若気の至りの「義憤」とでも申しましょうか（笑）　まぁこれが次の失敗のはじまりでした。


それ以来青年は、新しい会社に入る前には 「日付の書いていない辞表」 を常に鞄の底に持ち歩き、これを提出する前までは死ぬ気で働く。もうダメだと思ったら、すぐに提出する。

・・・・そうやって渡り歩いた会社が、今振りかえれば十数社。


バック一つで三ヶ月半、外国に旅行にもいきましたが、これが俗にいう「自分捜し」ってやつでして（苦笑）



結局、どこかで自分は「この程度じゃない」という想いを試したかったんでしょうねぇ～経験はしたけど、活かす道も知らず、日本に戻っても数か月すればいつも通りの生活。。。。いや、余計に悪くなったかも知れません。


肉体労働のバイトから覚えたパチンコ屋に毎日のように入りびたり、朝から並んで夜に家に帰る生活。親は高校時代からそうでしたが、放任主義というか、「人様に迷惑をかけない間は好きに生きろ主義」でして、それがありがたかったのか、問題があったのか・・・・（苦笑）



毎日のようにつるんでいた中学の友人たちはきちんと会社に勤め、きちんと社会人の経験を積み重ねていく。

また半分は、もともと器用なやつらが多かったんで自分でビジネスをはじめ、失敗したり、成功したり。

そんな話を聞いて、

「ほら、言わんこっちゃない」
「へぇ～良かったね。でも先は大変だよ？」

とすべてを斜に構えては、どこかため息つく友人達と一線を引き、自分はそんなミスは犯さない。といつも心に決め、またどこかで話を聞きながら自分を慰めていた時代でもありました。


つづく。

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