- 2015-02-07 (土) 0:41
- その他
つづき。
その中でもその少年は、どうにかこうにか自分の場所を確保しつつ、一生を笑いあえるような仲間と呼べる友達を作り、大人になるに従って別れていく友や反対に、大人になるに連れて仲良くなっていく友・・・
・・・でもそれは大人になってから感じることであって、当時は学校中で、クラスの中で、『自分の居場所』をつくり、それを維持していくだけが精一杯でした。
その中で少年が学んだ”勘違い”は、
「要領のよいやつが強い。」
たったそれだけでした。。。。。
少年とは呼べず、青年までなっていない高校生活。
振りかえれば彼にとってはこれが一番きつかった時代です。
色恋の少ないむさ苦しい男子校に入り、最初の一年間はなにか夢中になれるものをと入った部活で毎日苦しいとの言葉を超えた練習の日々・・・・・・
とにかく男子校の厳しい部活でしたし、それは小さいけど凝縮された、最初に味わう『男社会』というものでして。
そこでも先輩に可愛がられる要領のよい男。
技術や人間性に長けた男。
または反対に優れていない男。
男社会の中では、何か一つでも『その時の本物』をもっていないとバカにされるだけの世界。嘘や誤魔化しが効かない世界です。
そして・・・・・・・「何を考えているのか分からない」と嫌われる男。
中学で磨いた要領の良さでなんとか乗り切ろうとしましたが、そんなものが通用するほど甘い世界ではなく。自分に迷い、いらぬプライドが邪魔をして自分を真っすぐに出せないその少年から青年になりかけの男の子は・・・
・・・・残念ながら先輩に嫌われるタイプの男でした。
「自分は何のためにこんなにキツイ思いを毎日してるんだっけ?」
今なら、「お前自身が”三年かけてラグビーをやり通したい”って最初に思ったからだろ!」と頭を叩いて、活をいれてやりたいぐらいですが(笑)
当時はそこに行き着くことなく、
「なんでだろう、なんでだろう・・・」
って答えが自分の中にあることを知らず、外に外にと捜してましたっけ。
誰にも心を開いて相談することもなく、代わりに毎日の練習の中でその答えを厳しく突き詰められている感覚でした。
「一日も早く高校生活が終わればいい・・・・」
そう毎日願わない日はなく、高校二年になって何の間違えか特進クラスに入ったその青年・・・・・・その頃には青年になってたのかな?その青年は二年のクラス替えの時、それを機に部活を辞め、勉強漬けの毎日・・・
・・・・のはずでした。でもこれも 『失敗』。
はじめの方の成績はそこそこ良かったものの、やはり高校では
「成績が命だ。成績さえよければよい大学に入れ、よい大学を出ればよい会社に入れ、よい会社に入れば給料も安定して安らかな家庭が築ける。絶対にお前たちの無駄にはならないぞ。」
と先生たちには教えられ・・・・・・親は最後の最後まで要領の良さを捨てない息子に父は何も言わず、母は 「ウチの息子は昔から要領が良かったから大丈夫。ようやく本気で目覚めて勉強に集中してくれる」 と間違った期待をし続け・・・・・
形だけの先生立ちが集う高校の中で、唯一そうじゃなかったのはラグビー部の顧問の先生だけでしたが、その先生からも逃げてしまい、やめた部活の仲間からは裏切り者扱い・・・・次第に勉強そのものがバカらしくなり、学校を休む日も多くなりました。
自転車で学校へ行き、駐輪場にとめた後、、、衝動的にクラスに入りたくなく、そのままもう一度自転車にまたがり、昔大好きだった山や海を眺めながら家に帰る。
またやってしまったという後悔と、今日一日のつかの間の自由が得られた喜び。
そして明日を考えると一瞬にして心を染める暗い憂鬱さ。
そんな時はどこにいても、何をしても楽しくはなく 「誰かが理解してくれないかなぁ~」 と、本当にどうでもいいことばかりを妄想し、夢ばかりみて自分を慰めていた毎日でした。
つづく。
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コメント:4
- 花凛 15-02-07 (土) 8:49
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移りゆく情景と心境が目に浮かびます。自分にも純粋に悩み考えた時代があったなと懐かしんでます。続きが楽しみです。
- 千恵 15-02-07 (土) 15:18
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素敵な男の子ですよ。
個人的にはこういう男の子好きです(\\ 3 \\ ) - 残九郎 15-02-07 (土) 20:43
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どういう落ちをつけてくれるのか楽しみです 爆
- 管理人 15-02-10 (火) 19:14
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花凛 さん
一度、文章に落としてみたら面白いですよ(笑)新しい発見がいくつかみつかりました!
千恵さん
ありがとうございます。今ではいろんな経験しすぎて、純粋さの欠片も残っておりませんが(汗)
残九郎さん
お久しぶりです、残九郎さん!落ちませんでしたね、すみません!(苦笑)