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自然から愛された神。五十猛様のお話⑪

  • 2014-12-05 (金) 14:06
  • 神様

つづき。

東へ旅する出発の日が目前に迫っておりました。大方の準備を終え、南の丹生津姫様のもとへ使いを出し、返事として 「お待ちしております。」 と一言返事がかえってきた頃、、、、、、五十猛様は一人、ひときわ高い場所に鎮まるご先祖(氏神様)の社へと赴き、これからの旅の安全を願いに行かれました。

そこにもう何千年かわからない年輪を重ねている大イチョウの木が天に向かって大きく生え、その葉は美しき黄金の色をたたえておりました。

五十猛様はその木にそっと触れ、一人考えます。



(この大イチョウの木も・・・・・森に生えるいろいろな木々も、わしらが生まれる・・・・・わしら一族がはじまる前より、この大地を眺めて生きてこられたに違いない。毎年決まった時期に、たくさんの実をみのらせ、今はこうして美しく色づきわしらの心を慰めてくれる・・・・・・・

どの様な木も、そこに咲く花もみのる実も、毎年同じものはひとつとしてない。

実は土に落ちると次の代と生まれ変わり、葉は枯れて落ちても次の年の肥やしとなり次の年の新しい力となる・・・・・・・

わしが幽世(黄泉の国)へ旅立つのは、あと数えきれるぐらいの年であろう、ひょっとするとその歳月で何も成し遂げられぬかも知れぬし、わしが生きておる間は結果は出ぬやも知れぬ、、、、、、、しかし、それで良い。わしが生きておる限り、ひとつでも何かしらの新しい種をこの世に残していき、いつかわしの孫の代、いやその孫の代やも知れぬが、その者らが心からより豊かに生きれる時代であれば、それでこそわしの生きる価値があるというものじゃ、、、、、長い長い話じゃが、それで良いかの・・・・・


しかし、木とは、大自然とはまことに強い存在じゃ。その想いを毎年、己の生が枯れるまで忍耐強く辛抱強く生きておる。飽きもせず繰り返しておる。 そうじゃ、わしはこれよりの我が人生、 ”木と語らえる” 男となって生きていこう。大自然に生まれ、大自然と共に生きていくのじゃ)


『木と語らる、自然と共に生きる』

その言葉は不思議と五十猛様の胸の奥深くにストンと落ち、そこでようやく五十猛様は生まれてはじめて、全身全霊で己の心が満たされる感覚を味わいました。


満たされた気持ちのまま、遠くを眺めますと、おそらく五十猛様の姿を捜しにきたのであろう部下の顔がだんだんと近づいてきました。


「五十猛様。・・・・・ようやく出発の準備が整いました。」

「おぉ、そうかご苦労であった。では先に南へ向かうぞ。」

「はっ。あの時の姫神様をお迎えに行かれるのですね?」

「そうじゃ。まずは ”土” が残してくれた ”種” を拾いにいくのじゃ。」

「・・・土・・・・?・・・・種・・・・・でございますか?・・・・・・五十猛様、お待ちくださいーーーーーー」


首をひねる部下をそのままに、五十猛様は駆け出したい衝動を抑えきれず、張り裂けんばかりの胸とこれからの希望を抱いて気づけば走り出しておりました。


「自然から愛された神。五十猛様のお話」 終わり。


あとがきへ。





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