「風立ちぬ」遅ればせながら観てまいりました～

「風立ちぬ」遅ればせながら観てまいりました～風立ちぬの感想なんですが、まだ見てない方はネタばれになる恐れがありますので、スルーでお願いいたします。

「風立ちぬ」、う～ん・・・・・・・一言でいうと、『面白かった。』 これ以上はないし、以下でもないと思います。なんか観る前は、「庵野さん（エヴァの監督さんで宮崎駿監督の弟子みたいな人）の声、どうなの？」って評価が別れるところだったけど、自分は別段良いと思いましたね～下手な俳優さんや女優さんがやるより全然、納得がいくし・・・・・たしかに途中で「？」ってなったけど、これが自然に受け入れられるか否かで楽しめるかどうかが決まります（苦笑）



あの主人公（堀越二郎さん）の木訥さや不器用さが、あの声と自然とあってるような慣れてくるような、、、、、終わったあとは、かなり贔屓目かもしれませんが、やっぱりあの声があったからこそ、より二郎さんの人物像が際立ったような感覚。

最後の「嫁さんとの今生の別れ方」 も文句なし。こんな場合は、「絶対、泣くでしょ！」 的な先入観があるぶんだけ、「お涙ちょうだい劇」になりそうな場面でさりげなくサラッと流してくれた＆そこに日本ならではの美学的？なものが相まってよかったなぁ～。　二郎さんを通して歴史を追っていっただけだと本かなんか読んだ方がいいけど、あそこでイタリアの天才設計士、カプローニさんがストーリーに絡んでくるんで、ファンタジーがあってジブリらしいっちゃ、らしいし。

ただ「よし、観とくか。」 と気張らずにぼんやりと観にいったのが功を奏した感じです（笑）

最初と最後に、

『堀越二郎と堀辰雄さんに捧げます』

と書いてあったので、堀越二郎さんは実在した主人公なのでいいとして、「堀辰雄さんって誰？？」 と疑問におもったので観終わってすぐに調べたら原作者の方だったんですね、、、、、、うん、これは本で一度読む価値があるかも！

堀越さんの嫁さん（菜穂子さん）がすっげー健気で、若さあふれて明るくはつらつとしたおてんばさんと思いきや・・・・・・・大人になって病にも関係しているのか、中身はすっごく純粋で情の深い人で・・・・・・・・・・

布団に伏しても残された時間、お互いがお互いを大切にする姿、手をつないで仕事をする堀越二郎にも心打たれましたし、あの二人の時間は誰もとやかく入ってこれないなぁ、、、、、希望は決して捨てなくても、どこかで終わりがくるであろう二人の本気でお互いがお互いを想いあう時間・・・・・・・日本がごちゃごちゃしている時代を背景にして、それをつなげている二郎の純粋な飛行機に対しての夢。想い。

上手い。やっぱりジブリはすごいです。

現実とファンタジーと、純愛と史実をきれいにまとめきった上映時間はすごいですね、、、、、、蓋を開けたら、てんこもりの割には食べたら美味しくて最後まで残さず食べきれた天丼のような、、、、、そして胃もたれはしないという清々しさ（笑）

一番好きなシーンはやっぱり、手を握って仕事する二郎さんと菜穂子さん。

次席で、即席での自前の結婚式のシーン。

最後の菜穂子さんが消えていくシーンも良かったんですが、あそこは「生きて」じゃなく、もっとあそこだけは完璧に純愛路線でいって欲しかったなぁ～いや、あそこが「あなたは生きて」だからこそ、純愛アニメにならずに済んだのは解かるんですが・・・・・・う～ん・・・・・・・・・・・・別にあの時代を、無理して生きました的な扱いにしなくても良いような・・・・・・・う～ん・・・・・・・・・・・・。

ただ、感想といえばやっぱり『面白かった』です。「良かった」かな？


二郎さんは美しいものが好きだった。

あんなに山の治療院を嫌がって、治療よりも二人の時間を選んだ菜穂子さん。そして、また山の治療院に帰る菜穂子さん。

映画の中で、誰かのセリフでもございましたが、菜穂子さんはきっと美しいものが好きな二郎さんの心を気づかい、美しい姿のままで最後までいたかったのでしょうね・・・・・・・そう考えると菜穂子さんの心の気高さに泣けてきます。

同じく、綺麗なものを最後に残そうとした宮崎駿監督の引退作としては、「風立ちぬ」 自分は完璧だったと思います。

・・・つーか、予告であった『かぐや姫の物語』の方が楽しみ（笑）

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