- 2013-03-20 (水) 15:57
- 神様
つづき。
思兼の神さまは話を続けます。
「情が足りぬからというて、情を与えても意味はあるまい・・・・なぜなら、与えて貰うことだけが原因でできた界じゃからの。これが重なりて出来たのが澱の部分、魔界と申すものであろう・・・・・・・ならば与え続ければ、上に上がれるシステムを構築するのじゃよ。」
「はて思兼の神・・・・・あの得体の知れぬ泥のようなものらが幾ら積み重ねても泥は泥。上に上がれるとはまたおかしな事を申すものじゃの。それでは真剣に生きて与え・与えられておる関係を築けておる上の界となんら変わりはないと思うが・・・・・・・・・・」
「うむ。そこでわしが考えた計画とはこうじゃ・・・・・・・・・・」
だんだん、神様たちが黒っぽくみえてきちゃいましたね・・・(苦笑)
あくまでも創作の物語なので、その辺りはご勘弁くださいね~
「多くの目に見えるもの、金銀の財宝やその他の富、配偶者に健康。また目に見えぬもの、快楽に信仰、仕事、立場、その他の叶えられなかった想いすべてを貢がせるのじゃよ・・・・・・・」
「ほぅほぅ、それで?」
「まずは ”与えること” を覚えさせる。これは、何の為に与えるかと申せば・・・・・・かわいそうじゃが、己の ”我欲” の為じゃの。そうすることによって、あの者らの想いは我欲の為に達成させられることになるじゃろうが・・・・・・滑稽じゃが、泥は泥。いくら己らの想いを形に変えて泥に与えてもそれは増え続けることはない。」
「ふ~む、、、、、して、我欲から出てきた腐臭漂うものをどこに貢がせるかじゃよ・・・・・・・」
「そこでの。貢ぐ中心として、、、、、どうであろう?最初に音を発したあの人形に人格と性別を与え、それを中心にしてそえるのは。そうじゃの、目にみえるものを愛し確認せぬと気が済まぬ特性を持つ女がよいかと思うが・・・・・・」
「ふむふむ。そう言えば女の方が目にみえるものには厳しい面もあるし、また視えぬものを何とかみて確認しようとする欲も深い・・・・・よろしい。ならばこの界の中心となる”女王”を誕生させよう。他の神々、何か異論はあるかの?」
「うむ、そううえば月読の神が一度、女人として生きた肉体を持った時も無理難題を押し付ける為にモノを請求しおったしの、、、、、女の性の方がその役に適任じゃろう・・・・・」
「し~っ!!ばか者、月読殿は地獄耳じゃ、聞こえて恨みをこうてもわしは責任とれぬぞ・・・・・」
「さてさて、それ以外では今のところ打つ手もあるまい。これで時間を稼ぎつつ、生きて肉体を持つ天乃益人らが少しでも想いを消化させてくれれば、、、、、なんとかなるきっかけにはなるやも知れぬの。それでいくか・・・・・・・・」
神々はその力によって、最初に産声をあげた泥の人形に魂を吹き込みます。
「よいかの。はじめての者、泥の人形よ。今日からそなたはこの界 ”魔界” と呼ばれる界にて、女王として君臨し、欲しいものはなんでも要求するが良い。それを受け取りてもまだまだ限りなき欲が生まれるようになっておるで、決しての、その欲を切らさぬようにこの森羅万象のものをすべて手に入れるのじゃよ。・・・・・・しかし、一つだけ手に入れてはならぬ、求めてはならぬものがある。それは、”一滴の海の石” じゃ。それを手に入れればお前さまはこの界の女王として君臨できなくなる。それを忘れるでないぞ・・・・・・・・・・・・・・・・」
こうして魂を吹き込まれた泥の人形は、”魔界の女王” として新しい生活がはじまりました。
つづく。
- 次の記事: 泥の人形(神様物語⑥) 海宝
- 前の記事: 泥の人形(神様物語④) 提案
コメント:2
- 北斗七星 13-03-20 (水) 16:48
-
ツクヨミ様!?海の石!?(@.@)
おもしろすぎるーーー!!わくわくわくわくわくわくわく - 伊勢 13-03-20 (水) 20:49
-
思いの通り、月読の女神様のお話が・・・・
月読様の現生のお姿は十二単のお美しい方でした。
どのような女神様?がご誕生になるのか・・・・
楽しみです。