ピンク色の水蒸気

今年になって、最初のウチに来てくれたお客さんは、もうかれこれ・・・・・・

かれこれ何年前だ？・・・・・はっきりとは覚えてませんが、今の家の前の前から来てくれてたから・・・もう７年ぐらいは経ったのかな？妙にウマが合って引越した後で家が近くなったので時々一緒にご飯を食べてた人でした。久々に会ったなぁ～２年振りぐらい？昔、やくざな男に妊娠させられて、それが発覚したのが堕せるか堕せないかギリギリの３ヶ月目で発覚してしまって・・・・・・泣きながら電話をしてきてくれたことを覚えてる。う～ん・・・・・・なんか妹みたいな感じのする子だけど、最初はあまりにも”アホ”すぎてあんまり自分からの印象は良くなかった気がする。まぁ本人は、自分がアホだって気付いてなかったと思うけど。「・・・・・ほんっっっと、アホやね。」 って何度か本気で叱ったことはあるけど、その度にこっちも何度も言い返されたりなんかして（苦笑）その子（仮称Tさん）と久しぶりに逢った。



「おぉ、Tさん久しぶりやない！」

相変わらずだったTさん。少しふっくらしたぐらい。まぁ、ふっくら具合なら自分も負けてませんけどね。

１～２時間ぐらい話した後で、Tさんは何年か振りに子供のように泣きじゃくってた。（まぁ今まで自分がTさんの泣き顔をそこまでみたことなかっただけかも知れないけど）

そりゃ、そうなりますよね・・・・・・昔から、よく夢を語る子だったけど、「あ～語りながら半分は自分自身に言い聞かせてるんやねぇ・・・・・」って分かる口調。それは、Tさんに失礼だったからわざわざ、そんなこと言わなかったけど（本人は本気で言ってたんだろうし）話を聴くだけでも本当にそうなって欲しいなぁ～と思えるような夢だったんで、いつも静かに聴いてた気がする。時々、相槌打ったり、質問したりすると、「そう！！そうなのよ！」といつもかなりのオーバーリアクションで、その後に答えが返ってくるかと思いきや・・・・・・・

・・・・・・「あれ？今、何を話してたっけ？？」

と、これが得意技の一つでして（苦笑）話を上からかぶせられる上に、最後は答えが返ってこない。まるで一昔前の管理人のブログと同じ！（爆）

そのTさんは内心の自尊心が高く、その割には精神は複雑で、表面は明るくてすぐに人に打ち解けられて、気に入られて。見かけもモデルをしてたぐらい綺麗だったから、普通以上に男も女もよってくる。

久々にウチに来た時思ったのが、「あぁ、もう限界だったんだろうなぁ～」 って思った。

別にケンカ別れしたわけではないけど、本人は本人なりに自分の人生に挑戦し、コロコロ変わる夢や自分の目的地に、必死に自分なりに折り合いをつけながら・・・・・・・多分、ここまで ”真剣に” 生きてきたんだと思う。

キャラが明るい分、またノー天気なところもあって、一見誤解されがちなんだけど・・・・・

実は思いや考えや情は深くて、きっとあなたはまっとうに人生考えたら 「やりきれない想い」 を抱えていたんだろうね。底の見えない夜の冬の露天風呂から、まるで水蒸気のようにモクモクと湧き上がる想いは夜空に上がっては消え、消えてはまた湧いて出てきて・・・・・・・その水蒸気は、夢があふれた「ピンク色」だったけど、思った以上に現実化しない、積み重なっていかない憤りと焦り。いつの間にか、女性としても結婚してるはずの年にもなってて・・・・・・・まぁ、もろもろ重なったんじゃないかな。昨年の年末ごろから何度か予約をとってはキャンセル、予約をとってはキャンセルしてたから（まぁ元々、そういう自由な子だったんだけど（汗））付き合いが浅くない分、なんとなーく自分も想定してた。



お風呂が「心」としたら、そこから湧き上がる水蒸気はその人の「夢」。

お風呂は時に熱く冷たく、これが冬の夜の露天風呂だったりすると底がみえなくて・・・・・・自分は結構、好きだったりします、冬の夜の露天風呂。関係ないけど。

でも、そろそろピンク色の水蒸気を見上げる時期は過ぎ、Tさん自身も風呂の中を覗かないといけない時が来たんだろうなぁ～はじめはここ２・３年の思い出話から入ってしばらく話をしてて、彼女の現状も確かに相談として聴いたけど、、、、、、、これは神様に伺う前に、まずお風呂の底をみる時期に来てるな、、、、、、って感じた。でも、そう簡単にいっても、本当はお風呂の底を覗くのって結構勇気がいるんですよね。

「夢」っていうのは言い換えたら、「希望」って意味でもある。

Tさんからでる水蒸気は、まるでピンク色の水蒸気で、その水蒸気が本人のひとつの支えにもなってて、その視線を外してお風呂の底をみさせるってのは・・・・・・・ある意味、ものすごくこっちも慎重になる。

でも、唯一の救いはお互いにおかしな信頼関係があって、自分はTさんが真剣に聴いてくれるだろうという確信があったし、Tさんは多分、自分が真剣に話を聴いてくれると思ってるとお互いが信じれる信頼関係。

「ねぇねぇ、神様に聞いてくれんと？？」

「いや、その前にさ。自分がいろいろと聞きたいことがあるっちゃんね・・・・・」

ゆっくりと慎重に・・・・・・。彼女がなるべく傷つかないように、でもきちんとお風呂の底をみてくれるように、丁寧に質問をして、何度も何度も話がそれるのを引っ張りなおして、聴いてみた。あ～やっぱり自分はカウンセラーの資格ぐらい取っとけば良かったなぁ～

「もう、分からんっ！」 がTさんの口癖だけど、

「・・・そっか。まぁ、時間があるからゆっくり考えようや。」 で全部返した。

話は小学生ぐらいだったかな？いや、中学生か高校生？

かなり遡ったけど、今ある原因。お風呂の水の色から味から温度まで、水のことならすべてわかった。お風呂の底はわからない。多分、お風呂の底って、人の心の底っていうのは一生、本人もわからないものだと自分では思うから、それをいくら覗いても意味がないと自分は考えてる。いや、覗くことには意味はある。ただし、底がない・・・・・・というだけの話。「そこがないから絶対に、覗かない」って人と、「怖いけど、心のあり方を見直す為に勇気を出して・・・・・」 って人は大きな差がでると思う。

Tさんの場合、神様がTさんの心の基をスッと言葉に変えても納得するような、やわな人生は送ってない、、、、ってか、徹底して認めない根性を持ってたりもするのは、長年の付き合いで分かってました（苦笑）なぜ認めない、認められないというと・・・・・・それがTさんが今、ここに存在する意義だから。（まぁ、書けるのはここまでです）・・・・・・・でも、すっごい、驚くぐらいに素直なところもある。とにかく複雑なんです。

底から溢れる水。それは彼女自身が忘れていた蓋をゆっくりと開いてくれて、全部話してくれた。かなり深い深い話だったし、最後はTさんは泣きじゃくってた。なんかそれみて、昔、師匠の前でたくさん泣いてた自分を思い出してたよ（苦笑）

彼女は、ここ一番でピンポイントのアホだけど、矛盾してるようだけど本来は頭の良い子で・・・・・多分、アホのフリをしてたんだと思う。いや、アホじゃないと心がもたなかったのかも知れない。アホは楽だもんね～上手くいってる時はとことん、上手くいくし、耐えられない現実から目をそむけることもできる、、、、、、でも、本当のアホになるには、ひとつだけ条件があってここ一番ではきちんと自分の裸をみれる心。みようとする勇気がないといけないと思う。じゃないと、本当に本物の、完全なアホになってしまう・・・・・・って意味がわかるかな？（苦笑）

「なんかさぁ～最初からこうなると思ってた気がする～」

「いやいや、わざと泣かされに来たっちゃろ？（笑）」

思いっきり泣いて、ひとしきり泣き止んだ後のTさんの笑顔は良い顔してたなぁ～・・・・

軽いノリで書いてるけど、確かに一言目の相談は全然たいした事じゃなかったけど（爆）彼女なりに毎日を一所懸命生きてきて。水蒸気ばかりつかもうと足掻いてきたけど、その思いは真剣だったんだろうね。それが泣き止んだ後の言葉に思わず出たんだと思う。

そう考えると、なんか、本人の前ではこんなこと言いたくないけど（苦笑）尊敬せずにはいられない自分がいる。正直、自分よりも数倍の苦労をしてきたんだと思う。自分みたいに周りの皆に支えられて、水蒸気をビニール袋でかぶせて形にする努力も確かにいるんだけど・・・・・・・・それでも、足元が怖くてみれずに、必死で消えていくとわかっている水蒸気を背伸びしてつかもうとする努力と虚しさ。本人もきっとどこかで、それを分かっててそれでも繰り返して、、、、、、Tさんの方がずっと自分より、タフで我慢強い魂をもっているのは間違いないと思った。

まぁ次にTさんが来るのはまた２・３年後か、それ以降かもっと早いのか・・・・・・

結構、、、、いや、正直、かなりの負けず嫌いだから、もうしばらくはこないでしょ（笑）それがたまに寂しくもあるけど、まぁこの仕事の宿命ってものですね、きっと。

あとは本人次第、、、、、って言い方は冷たいかもしれないけど、もうこれ以上、自分がしてやれる事もないしね・・・・・・Tさんは変わってくれると思いますよ、ここまでの勇気が出せたんだから。いや、変わるはず。あとは、やるか、やらないかだけだよね～といっつも思うし、いっつも自分にも言い聞かせている管理人（爆）

「えーーーーちょっと、何も神様に聞いてくれんと？！」

「う～～～ん、、、聞いてもいいけどさ、まずは今ある心を忘れずにさ、もう一度自分の夢や計画を作り直すのが先やないと？・・・・多分。それ以外で、何か聞きたいことがあれば自分はまったく問題ないけど、、、、、、、どうせあれやろ？目先の話ばっかりやろ？（爆）」

自分でもわかってるけど、師匠に質問して、答えまで導いてくれて、「よしっ！」 と本気で思ったら今までの神様に聞きたかったことが全部、流れ出す・・・・・って経験、よくあるんですよね。出張鑑定の時、「他に何か聞きたいことはないですか？」って聞いたら、「たくさんあった筈ですけど、何を聞けばよいのか忘れました・・・・・・」って言うのはそういう事なのかな？（笑）だったら嬉しい。それはきっと、心によい効果だと思う。（みんなは時間とお金が勿体無いかも知れないけど（汗））だって、それって今までの心と違って、少し形が変わった時か、開かない扉は開いてないけど（まだ何も”行動”はしてないはずなので・・・・・）でも、間違いなく心のどこかでその開かなかったはずの扉の鍵が 「カチッ」 と音を立てたのを心が敏感に感じとった時だと思う。少なくとも、師匠宅から帰る時の自分はそうです。

「う～～～ん、、、、そうやねぇ・・・・・・そういわれれば、まず管理人が言うことが先かなぁ～って思うし・・・・・・・うん、先だと思う。うん、きっとそうだ！」

（自分に言い聞かせる癖は相変わらずやなぁ～（苦笑））

「そうよね、良くできました～！まずは行動よね～・・・・・・」

「・・・・あ！！いや、待って！やっぱり神様の言葉は聞きたい！！」

「えぇーーーっ、今自分で言ってたやん！まずは”行動”って。」

「うん。明日から、今から行動するからさ。だからその為に、たくさん管理人に怒られたから、次は神様にわたしを慰める言葉を聞いてみてくれん？？」

・・・・・・うわぁ～怖えぇぇ～・・・・なんだそりゃぁ～、、、、、全然、怒った覚えもないし、、、、、なんだ、この女性のたくましさというか、立ち直りの早さは・・・・・・・・いや、”切り替えの早さ”かな。いや、厚かましさ？強さってやつ？男は普通、こうはならんぞ・・・・・・・・・

・・・・・・う～ん、、、、前言を撤回します。やっぱり彼女が変わるのか変わらないかは「神のみぞ知る」ってやつですね（笑）　今年最初のお客さんの記念に、彼女に許可をもらって記事にさせて貰いました。楽しめよ～Tさん！君ならやれるっ！！

・・・・・・そう信じてるよ（笑）

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