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白い恋人たち

  • 2012-11-30 (金) 16:58
  • 恋愛

「よーるにむかって雪がぁぁあ~♪ 降りぃ~積も~るとぉぉぉおおおお~♪」

外は寒いけど心あたたかく、人肌のむくもりを求める若い恋の季節ですが、先ほど天神を歩いていたらフト懐かしい香りがしました。C・Kのエタニティ。この香りをかぐと、いつもある友人から聴いた話しを思い出します。それはもう遠い遠い昔のお話です・・・・・

その友人は会社のサラリーマンとしてはご法度の社内恋愛をしました。4年近くみんなで目標にむかって協力しあって一緒に働いて、まったく未経験だった彼に一から仕事を教えてくれた年上の先輩に些細なことから惚れちゃったわけですね、、、、、当時の彼はまだ世の中のことを何も知ろうともしない、若さあふれる血気盛んな24歳。相手は4歳年上の独身。若いときの4歳の年齢差は本当に大人にみえたものです。でも当時は、とにかく二人とも若かった。二人だけの時間が職場でも同じように通用するはずもなく、、、、でも二人でこっそり休みのシフトを合わせたり、誰にもみつからないように一緒に帰りご飯を食べる行為そのものが妙に心地良かったり。しかし、小さな心のすれ違いはみえないところで積もりに積もってたんでしょうね、、、、その欲に溺れ、先の先まで考えきれなかった彼には何もみえてなかった。彼の何気ない日々の言動が、相手を静かに深く傷つけていたことにも。



小さなすれ違いや誤解も、やがて大きなヒズミとなって表面にあらわれる。

その時はもう、隠しようもなかった。「人が人を好きになることの何が悪いんだ!二人は独身だし、誰からも文句を言われる筋合いもない!」・・・・すべてを敵に回しいろいろ憤ってはみたけれど、結局、手段が目的となり、本当の目的を誤魔化すように、、、、「責任がとれない・覚悟を決めきらない弱さ」 はいつの間にか 「彼女を守りたい・年下でも守らないといけない」 という気持ちに変換され・・・・・余裕のない彼は、彼女が時々みせる大人の余裕や女性らしい小さなわがままや、不安で心配そうな顔にさえ憤りを感じた。とにかく未熟だったんですね。結局は周りの人を巻き込み、めちゃくちゃにし、みんなからの信用を裏切り・・・・・・・・自分たちはなにも悪いことはしていないんだと、必死にあがいている内に、仕事帰りに呼び出された上司に言われた一言は本当に心がつぶれた。跡形もなく、無になった。

あんなに可愛がってくれ世話になり、結果裏切ってしまった上司に 「心をこめて育てた二人を同時に失うことは出来ない。上司としてお前を罰しなければいけない。男として言えば、、、、このままお前が関われば、彼女はもっと不幸になる。今すぐ覚悟がなければ、二度と連絡は取らないとここで約束してくれ」 と言われた。天神のど真ん中にある小汚い焼き鳥屋の狭いカウンターで、彼は人目もはばからず泣きながら約束をし、心の中で神様に誓い、ついにあの人とは一言も話さないまま、大人の事情で互いに勤務地移動を命じられましたが・・・・・・・結局、彼はすべてから逃げるように辞表を出してしまいました。

あとから人に聞いた話によると、その上司は後日彼女を呼び出し、「あいつは ”責任が取れないから転勤がしたい” と言っていた。だから過去は忘れてゼロからやり直せ」 といった旨を聞き、誰を責めてよいのかも分からず、「彼女と少しでも話がしたい」 という思いがさらに募り、怒り苦しみましたが・・・・・

その上司一人が最後まで二人をかばってくれたことを知ったのはまだまだ後の話しです。その恋も、愛と思っていたものも、怒りも苦しみも、人への恨みも彼自身への恨みも、いつしか雪のように消えてなくなりました。

それでも覚悟を決めて、最後の最後まで責任を取りきれば万々歳、皆もあたたかい祝福の嵐だったんでしょうけどね~とにかく二人とも若かった。



雪は溶けて消えても、その存在は「想い出」として残ります。

4つも年上のその人はいつも大人で考え方もしっかりしてて。
ケンカしてもいつも笑顔だった様な思い出がある。

彼の幼稚な正論にも、得意がって振り回す理屈にも、
あの人は、いつも泣いたり笑ったり、うなずいたり。

彼女は彼に多くのことを教えてくれました。

あまり本心をいわず、決して口数の多い人ではなかったけれど。言葉にしなくても相手を思いやる心、深い慈しみ。女性の強さとたくましさ。やさしさと弱さ。言葉ではなく、いつもその姿で言葉以上に多くのものを教えてくれた。

あの人はいつも、泣いたり笑ったり、うなずいたり。

・・・・ただそれだけの人だった。

ただそれだけのことで、彼を誰よりも大切にしてくれた。

当時の彼なりの、真剣に考えた将来の話をすればよくケンカになって、相手の心の余裕や、困りきった笑顔で彼を見る目が無償にいらついてしまい、、、、、未熟な彼はさらに当たり散らかしたり、職場で無視をしてしまっては、1人になって自己嫌悪になったりもしてたけど・・・・・

それでもあの人はいつも、泣いたり笑ったり、うなずいたり。

ホントにいい人だった。

嬉しいことがあれば、ふたり握った手の力を強めるだけ。彼にはそれで充分だった。

自然が好きで家の畑で作った野菜の収穫話の時だけは饒舌になってたけど・・・・・・それだけで彼は幸せでした。

別れて一年以上たっても、何度か着信があったけど、
その度に約束を思い出し、涙を堪えてた彼。
着信中の携帯電話を握りしめ、
通話のボタンを押すのを必死で我慢してた彼がいた。

色んな意味で未熟すぎて、子供過ぎて、彼は迷惑を掛けっぱなしだった。多くの人を傷つけっぱなしだった。

 
その電話が、例え罵詈雑言であれ、例え謝罪の言葉であれ、
彼は出れなかった。出ても何も変わらない事ぐらいは分かってたでしょうしね。


信じたかったけど、相手を信じきれなかった彼。
いや、彼が信じれなかったのは彼自身だったのかも知れません。

いろいろと気づいた時はもう遅かった。過ぎた時間は戻せない。


結局、あれから一度も話しをしないまま、10年以上の月日が流れて。
その間に違う人ともいい思い出をたくさん作れて、その人について思い出すことは彼はこれからもないでしょう。この季節にあの香りをかぐ以外は。ただ「幸せになっててくれたらいいな~」 という気持ちだけで。

知り合って長い年月が過ぎ、彼と彼女が付き合ったのはたった3ヶ月だけだったけど、彼は多分、大きく変わりました。まぁ、良いか悪いかは別にして、彼は前を向くこと・前しかみないことをいつかの日に、心のどこかで誓ったんだと思います。

「死ぬまでにもう一度、あの時の人と逢いたいか?」

と彼に尋ねれば、今の彼はきっと 「別にどっちでもいいや。」 と答えるでしょう。 楽しい経験も、切ない過去も・・・すべては魂に刻み込み、今の自分がある。そして、経験を重ねれば重ねるほど、人は純粋ではなくなっていく。

「純粋でなくなることが、強さなのか?」

・・・・これは彼に尋ねても分からないことでしょうね。でも彼は決まってこういうはずです。

「分からないことを考えるより、すべてを受け止めて今を精一杯生きるしかないっちゃないと?」

何年か振りにあの香りをかいでフト昔話を思い出しましたよ、、、若い人はたくさん、恋をして下さいね。ただの恋ではありませんよ~結果はどうであれ、真剣に必死になれる ”素敵な恋” を。管理人のように恋も純粋さもとうの昔に失った皆さんは、とにかく風邪をひかないように、、、、、健康第一ということで(爆)

とにかく皆さん、素敵な年末年始にしましょう!

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コメント:17

kankodori 12-11-30 (金) 18:33

とりあえず、コンメント1番のり~。失礼しました。おつかれさまです。寂しい季節になりましたね。それでも、「全てを受け入れること」これは、レベルの高い悟りの境地だと、私も思います。そして、もう一つ「時間が解決しない問題は何もない」これが、さらに高いレベルの悟りの境地だと、私も思います。村雲さんは、まだまだお若いのですから、結婚、そして子育てはものすごい経験が得られるはずです。離婚の経験までは勧めませんが(笑)。幸せになってください。

もず 12-11-30 (金) 21:38

ひさしぶりの書き込みです。
10年前と今の私は同一人物だけど、思うことや行動することは全く違っていて、そして間違いなく今の私の方がいろんな事がわかっていると理解できる。それは10年間に経験した事や出会いが積み重なっているからこそなのだということを、それこそ今、理解することができる。
川の水の流れと人の生き方は同じなのですね。この先も流れ着いた先でひとつづつ悟っていけたらいいなと思います。
かっこいいこと言い過ぎました・・・
来年の目標は、村雲さんにお会いすることです!(笑)

ミッフィー 12-11-30 (金) 23:44

こんばんは。女性の気持ちでコメントします。彼女は待っていたのに・・・大人になってくれる彼を待っていたのに。なんて悲しい恋でしょう。そして数年が経って彼がもう1度会いたいかと聞かれ「別にどっちでもいいや。」と言った事・・・ああ、そんな男と一緒にならなくて良かったと思いました。どんな恋でも女性は命をかけて愛します。病気になった時も神様に「私の命と引き換えに彼を助けてください。」と祈ります。
時間が解決しない問題もあるんです。ただ経験していないだけです。

管理人 12-12-01 (土) 0:13

kankodoriさん
結婚に子育て、、、、縁があれば、なんてもう言えない年頃ですよね(苦笑)自分でも気づかないぐらい、いろんなものを傷つけ迷惑をかけ今の自分があるんでしょうね・・・・・どれ位取り返せるか、いやもう無理かな。それでも日はまた昇る。とにかく前を向いて!がんばりますっ、ありがとうございます。

もずさん
こんばんはもずさん。めったに過去は振り返らないんですけどね、人は時々強制的に過去に戻される、そしてガラにもなくセンチになってしまう(笑)歳を重ねることも悪いことではありませんね。もずさんにお逢いさせてもらう時は、せめて生き生きとしとかないと・・・・・ね~

ミッフィーさん
はははっ、そうですね。自分が女性でも悲しいかな、多分そう思う。でも未熟な彼にすれば、それもありがたかったりもする。「ただ経験していないだけです。」そうかなぁ~あんまり言い切っちゃうと、当時の彼と同じようにその時までの自分の経験だけでしか物事をとらえられなくなっちゃいますよ?(苦笑)

ブーシュカ 12-12-01 (土) 0:42

思わず書き込みします。相思相愛で過ごせる日々の有難さ、出会えた運命が輝きますよう。
どうぞ、癒えない傷も楽しめる日々でありますよう。

自分は妄想恋愛をずーっと重ねて、主人と巡り合ったというクチです。いつだったか主人と、もし出会えていなかったら?と話したところ、お互い、それぞれ別の伴侶を運命の人と思う日々だったんだろなと思う、と落ち着きました。
まぁ、口先だけでも、私を探したよとか、言って欲しい思いもありましたが。出会いがあったから運命の人になるのかなとか、思ったりします。

恋も、円熟さが増して旨みがわかれば、また楽しそうでもあります。恋は下心で、愛は真心という、サザンの一節が思い出されます。
村雲さんも、下心と真心を持ち続けれる相手が現れると良いですね。

おき 12-12-01 (土) 1:46

こんばんは。

会ってみたいけど、ほんとに 会う勇気はない。
だから「どっちでもいい」って思ったのかな。彼は。想像だけですが(^^;

愛がわからなくなっているので、過去ログを読み返してみよかな…

とり 12-12-01 (土) 9:28

若い頃を思えば、色々な恋愛の苦い思い出がありますね。
若かったからというのは、言い訳にならないこともたくさん。
でも、
歳を重ねて、色んなことを経験して、だからこそできる恋もありますよね。

20代なりの、30代なりの、40代なりのそれぞれ違う、でも、純粋な恋や愛。
村雲さんも、健康第一なんて言わずに、また、恋をしましょう。
結婚するなら大好きな人とがいいですよ。
誰としたって大変なんだから、それなら大好きな人とがいいでしょ。

慈覚 12-12-01 (土) 10:14

僕も思いだしました…25年前の、まだここ信州に赴任してきた頃の恋…、7才年下の彼女でしたけど、純真で可愛かったなぁ…とても真剣な恋でした。いろんな事情で別れてしましましたが、いい想いでです。
その後、結婚。でもこれも別れてしまい現在は、バツイチです(汗)
あ! 外みたらスゴイ吹雪です。きょうは積るかなあ…。うー寒い。

たまねぎ 12-12-01 (土) 12:17

みなさんこんにちわ
「どっちでもいい」が私には、
明日の空の色は何色がいい?と問われ
「何色でもいいですよ。」
と答えてるかのように聞こえました。
それはなげやり的な発言とは違う意と思う所です。

管理人 12-12-01 (土) 14:31

おきさん
彼がこのコメント読んだらきっと「ありがとう。」と答えるでしょうね。おきさんが愛がわからないって事はないと思いますよ~少なくとも男心がわかる、素晴らしい女性ですっ!!そばにいて安心できればそれが「愛」ってことで良いんじゃないかな?(笑)

ブーシュカさん
下心って、、、、スケベ心という解釈でいいのかな??だとすると、ちょっと自分とサザンは違うなぁ、、、「恋」って「憧れ」だと思ってました・・・・

とりさん
恋か、、、、今の自分の恋は「憧れ」を卒業して、「尊敬できる部分」へと昇華中ですかね(笑)でも大好きな人と結婚した方が離婚率が断然に上がるって、どういうカラクリになってるんでしょうか・・・・??

慈覚さん
世間では×がついてる者同士の方が上手くいくとか、いかないとか・・・・自分も一度は結婚してれば良かったなぁ~慈覚さん、ファイト!

管理人 12-12-01 (土) 14:34

たまねぎさん
たまねぎさんが男で良かった(笑)最近、もう一つ不可解な悩みがございまして・・・・・「わたし、太ってるんです」っていう女性に限って誰がみてもたいてい痩せている、「わたし、ポッチャリ系なんです」っていう女性に限って誰がみてもたいてい太っている、謎の真理を今後お逢いした時にご教授ください!

12-12-01 (土) 15:29

その方の姿を正直自分たちは感じることはできませんが、それでも大切にしたく思ってきます。多分みなも。その方も、ここまで来られたあなたに愛されて幸せでした、きっと。

緑の風 12-12-02 (日) 1:00

こんばんは。
昨日、今日と
白い恋人たち… とコメントを何回も読んでいます…。
読んでいて頭の中で情景が描かき出されてしまうんですよねぇ~。

C.Kのエタニティの香り…どんなかしらねぇ~?

香りって 不思議だね…。 一瞬にして遠い記憶を引き戻せちゃうんだねぇ。

耳助 12-12-02 (日) 1:06

彼は今も昔も精一杯、頑張っている人なのでしょうね。
耳助はそこを絶対的に尊敬いたします。。
それにしても、よく鼻が利きますなぁ(笑)

とり 12-12-02 (日) 23:58

え〜。なんで離婚率がそんなに上がるんでしょうね~?
自分は大好きな人と結婚しなかった(爆)のでよくわからないですが、いいとこも嫌なとこも全部ひっくるめて大好きならば離婚しないはずですけど、、、(笑)
もう、キャーカッコイー好きーみたいな恋はさすがにしませんね。
惹かれる面も10年前とは変わったなあ。


年齢を重ねて、今だからこそわかるあの時のこと、自分の気持ち。
当時はわからなかった~。
、、、、私も昔を思い出しました。
思い出は思い出のままがいいな。
どっちでもいい、という彼の気持ちが少しだけ、なんとな~くわかります。

naobon 12-12-03 (月) 12:15

純粋じゃなくなることが強さ・・・ってよりむしろ純粋だから強いと私は思うんですよね~
私にとって純粋さって言うのは偽りのないまっすぐな心のことだから
自分を守ったり偽ったりしないまっすぐな心は方向がどうであれ純粋だし強いような

そして年を重ねるごとに現実と真っ向からぶつかる純粋さが必ずしも
現実と折り合いをつける純粋さに勝るわけでもないこともあると知るみたいな?うーん、どうなんだろ~

ま、なんでもいいかー( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

ブーシュカ 12-12-05 (水) 10:00

恋が、憧れや尊敬だったら、村雲さんでしたらお師匠さんにも恋心を持っておかしくないような。

異性らしさの部分に憧れであれ尊敬であれ惹かれるからこそ、恋があるんじゃないでしょうか。だから自分は、下心は、「異性らしさに惹かれる」というスケベ心に一票です。

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