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魔法の杖を持った神の話⑦

つづき。

夢にまでみたあの人が目の前にいる・・・・・

しかし、いくら声を掛けても体に触れようとしても、それは幻のようにどうやら彼の眼には写っていない様子・・・・・・すると、家の戸が開いて一人の女性が入ってきました。その瞬間、、、、、娘の体は硬直してしまう。娘はその感覚で何の根拠もありませんでしたが、はっきりと解ったのです。その入ってきた女性が、一度も会った事がない「不倫相手の妻」だという事を。

「・・・・済まなかった、、、、もう二度としない。反省している・・・・・・」

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娘の目の前で、必死に妻に対して頭を下げる娘の忘れられない男。

(さんざん私にやさしくしてくれたのに、何故こんなに頭を下げているの・・・?あんなにやさしくしてくれたのに、あんなに嫁は冷たい女だと罵倒していたのに・・・・・なぜ?嘘よ、、、、これは嘘・・・・・・きっと何者かが見せているインチキな幻なのよ・・・・・)

そうしている間に、相変わらず二人の男と女は険悪な雰囲気・・・・・・・最後は、隣の部屋にいた子供3人を連れて、妻であろう女は家を出ていきました。

娘の胸には、どこかスッと胸をなで下ろす安堵感。罰が当たったんだという気持ちがなかった訳ではございませんが、次に考えることは「もしかしたら私の元に戻ってくるかも知れない!」という淡い期待もございました。

(私はここにいる・・・これだけ愛しているのは、もう私しかいないし、あなたも私がいなければ生きていけないのよ・・・・・・・・・)

そう考えたのはつかの間、一瞬にしてまた場面が替わります。

それはまさに信じられない、先程までの娘の心をいとも簡単に打ち砕く場面でした。目の前には少しやつれた元彼氏の姿と、楽しそうに笑顔を振りまきながら食事をしている年格好は自分に似た姿の娘が・・・・・・・・・まるで、はじめてその娘がその男と逢った時のような光景でした。ただ一つ違うのは、一緒に食事をしている男の前には自分でない娘が座っているだけ。

(嘘よ・・・・嘘!!こんなの嫌!こんな幻、見たくもない!!早く、地獄でもどこでもいい、私を今すぐこんな場所から連れ去って!!もしくは、そんな不思議な力があるのならば、今すぐ彼の元に私を連れていって、縁を戻して頂戴!その為ならなんでもします・・・・・今の私は、生きている価値がない。前にも後ろにも進めない、抜けがらのようなものなんですっ!!)

(娘よ、それは違うぞ・・・・・・・・)

老人の声は静かに心に響き渡ります。

(違うことなんて、ない!それでも私は、私のしたことぐらいわかるわ!人を好きになってしまえば、頭で分かっていても心が許してくれない。私だって、本当はもっともっと幸せになりたい・・・・・・前を向いて、楽しい時間を過ごして、周りの皆と同じように幸せになりたい。その為に努力だってしている!でも・・・・・でも、忘れようとすればするほど、どうしてもあの人のことが頭から離れず、忘れられないの・・・・・・・)

(・・・・・・そうじゃの。人が人を好きになるのは罪はない。でも娘よ、お前さんはやはり間違っている。”忘れようとする”ことはない。余計にしっかりそれを抱いたまま、その想い出を忘れぬよう胸に抱えて、それでも”歩かなければ”本来はいけないのじゃよ・・・・・・・)

どこからか聞こえる声の主は、そうやさしくゆっくりと娘に諭すように話しかけます。


(・・・・これは・・・・・道を外れた、私への罰なんですか・・・・・?)

(うんにゃ、そうではない。これは、罰でもなんでもなく、お前さんがこの世に生まれた時に・・・・・否、育てていかれるなかで背負うてきた”責任”というもの、ただ一言なんじゃよ。)

声の主はさらにゆっくりと、話を続けます。

頭の中に響いているのか、直接声を聞いているのか娘には判断できません。・・・が、遠くから近くから聞こえるような声は、しっかりと娘の胸に届いてきます。

(人はの、ただ黙って貰える物を貰っていれば”育つ”という訳ではない。そこには、気づかぬうちに多くのモノを”貰って”きて育っていく。これも本来は、”タダ”ではない。お前さんは五体満足で生まれてこなければ、今の経験もなかったやも知れぬ。言葉を教えて貰わねば、己の想いさえ伝えられぬ。そして気づかぬ内に、そこには”責任”というものが生じる。皆、お前さんにどこか”期待して”行われたことなんじゃよ)

(お前さんの人生が上手く行かぬのは、誰が悪い訳ではない。誰に責任を押しつけても、どの世の中のせいにしても、己の人生に対しての責任だけは己でとるしかないのが世の定めじゃよ。善人も悪人も、良い事も悪い事も、すべては己で責任をとらなければいけない。すべては己よりはじまり、己に帰す。・・・・・・・これを見なさい。)

そう言われ、周りを見渡すと・・・・・・・

・・・・・今度は間違いなく、胸がキリリと痛むような見た事のある風景。

遠い昔の、それは忘れたくとも忘れられない懐かしい、娘の育った家。決して裕福とは言えませんでしたが、そこには多くの兄弟が育ち、一人一人が巣立っていった場所。

兄弟が多かったせいか、娘の幼年期は思い起こせば楽しい思い出が何一つありませんでした。兄弟と比べられ親からなじられ、歳が上だからか弟や妹のために
我慢も多くいつもお腹をすかせていた、いつも何かを求めていた場所・・・・・・・・・・

(私はいつも必死でした。いつも可愛がられるのは年下の兄弟達ばかり。私は小さい頃から無理や我慢を強いられてきたんです・・・・・・・何とか父や母の愛情が欲しいと、たった一言”お前が居てくれて良かった”と言って貰える日のことを願って、必死でした。一番好きな親に、どうしてもこの気持ちを解って貰いたかった。・・・・・・なのに、すべては私から逃げていく・・・・・・頑張って働いたお金も、一緒に過ごした時間も、そして・・・・・そして、本気で愛したその人まですべて逃げて行く・・・・・・・・・・・・)

娘の見ている幻の中には、間違うこともなく一人のばあ様・・・・・その娘の母が背中を丸め囲炉裏の火に当たっておりました。家を出てから、もう随分と会っておりませんが、字が書けないためかそれでも時々、家の横の畑で作られた作物が思い出したように送ってきております。

その幻の中の母様は、よいこらしょ、と立ち上がると腰が痛むのか、手で頻繁に叩きながら古ぼけて黒くススけた神棚の前に立つと手を合わて何かブツブツと独り言を言っている。

良く耳を澄ませて聞くと・・・・・どうやら、ほとんどが娘への愚痴らしい(笑)

「・・・・まったく、あの娘は親の心も知らないで・・・・・ブツブツ・・・・・・・・あ~足が痛い、腰が痛い、もうわたしの体も長くはないかも・・・・・・ブツブツ・・・・・・良い知らせの一つもありゃしない・・・・・ブツブツ、ブツブツ・・・・・・・・・」

昔の思い出に浸っておりました娘の顔が、だんだん険しくなってきます・・・・・・

(ほら、やっぱり最低の親だわ!一体、神様に何てお願いしているの、、、、恥ずかしいったらありゃしない。いくつになっても、醜い姿とその心。いつも私のことを考えているフリをして、結局は自分の欲を満たすだけ。なぜ私がこの家を出たのかも知らない、どれだけ今私が辛い目にあっているのかも知らず、未だに自分の事ばかり!!)

(ほほほ・・・・・元気の良い娘子じゃの。なぜお前さんは、それが解るのじゃ?)

(だって見ての通り、聞いての通りよ!本当にこの人が人の心まで考えてくれていたのなら、今の私だってこんな私じゃなかった筈!!結局、すべては自分たちのためだけに、物事の表面しか知らない、知ろうとしない人達なんですから!!)

一歩も譲らない娘、、、しかし、今の顔はこの世で一番醜い顔をしているなどとは、本人は思ってもみません。

(そうかの・・・・・。これもお前さんが母様父様を愛しているがゆえ、わしからは何とも言えぬ。しかし、わしが見てきた主の両親はこうじゃ・・・・・・・・・・)

つづく。


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