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魔法の杖を持った神の話②

  • 2012-03-02 (金) 0:00
  • 神様

つづき。

いつしか女性は、心を奪われていました。その名前も知らない白い小さな花が、種から花が咲くまでの一生。そしてその花が、ようやくつぼみを膨らませ、お世辞にも豪華とは言えませんでしたが可憐な真っ白い花びらがゆっくりと開く時・・・・・・

それは感動という気持ちなのか、喜びと表現するには足りない様な・・・・・・・久々に味わう、どこかしら切ない気持ちと無限に広がる喜びの気持ち。その気持ちに名前を付けるとすれば、「感謝」の一文字でした。



そこにある一輪の小さな白い花。

それは決して、この世にたとえようのない薫りを匂わせてくれる訳でもなく、人が熱狂して奪い合うほど素晴らしい実をみのらせる訳でもない。綺麗なだけの花を捜そうと思えば、たくさん他にも種類がございます。

そこにある一輪の小さな白い花。

ただその花は、そこに「在る」だけで見る人の心を癒し豊かにさせ、笑顔を取り戻してくれる花。その花はなにものにも依存せず、「鉢に入れて貰いたくさんの栄養が欲しい」「温かい場所で何不自由なくのびのびと育ちたい」「皆に美しいと言って貰い、情を注いで欲しい」 と願う為に育ってきたものではありません。精一杯天に向かって、ただ真っすぐに花が花であろうとする、本当に小さく何気なく見落としそうな花でしたが、凛とした美しさと気高さを持っていました。

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不思議な感覚のまま、今までの悔しい涙や悲しい涙とは別の想いの涙が頬を伝った時、フト気づけば彼女の周りの風景は代わり最初に居た場所にそのまま立っていました。

しかし、彼女はその不思議な幻像も気にならないぐらいに頭がいっぱい・・・・・・

(自分は本当は、、、気づかない内にどこかで”見返り”を求めていたのではないだろうか・・・・)


一瞬よぎったこの考えを彼女は鼻で笑って流そうとしましたが、不思議とかすかでいてそして強く彼女の心を離しません。

(違う!絶対に違うっ!他にもたくさん、ただ求めるだけの人はいるし私はそんな卑しい人達とは違うっ!ただ人の為に、目の前に困っている人達のためにこんなに我慢して、こんなに苦労して・・・・。たくさん本も読んだし、勉強もした。人一倍、努力もした。そうですよね、神様?・・・・あなただけは見て下さっていますよね??)

(・・・でもなんでだろう・・・・・・・・なんで、あんなに何も考えてない人達の方が自由に笑えるんだろう。なんであんなに幸せそうにしているんだろう・・・・・・・。そういえばあの人は、あんなに人に親しまれている。そういえばこの人は、こんなに皆に信頼されている。)

彼女の心に刺さった小さな棘は、いつしか彼女の心を鋭くえぐります。


(あの人は、あんなに人に愛されて・・・・・・・・・なんでそれが・・・・なんでそれが、”私” じゃないんだろう・・・・・・・・・。)

その瞬間に、女性はハッと息を飲みました。

彼女は、彼女さえ気づいてなかった事実に今ようやく気づいたのでした・・・・・・・自分がどんな形であれ、”求めていた” んだと。

フト、山田の爺さんの存在を思い出し周りを急いで見渡す女性。

しかし、どれくらいの時間が経ったのかそれは一瞬の様な気もしてて、反対にとても長い時間だったような気もします。いくら遠くを見渡しても山田の爺さんの姿はもうどこにも見えず・・・・ただ足元には何も変わることなく、小さく可憐で・・・・そしてなぜだかやさしく微笑みかけてくれているような白い花が静かに佇んでおりました。

つづく。

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コメント:7

hatadesu 12-03-02 (金) 0:47

え~「つづく」って何~!?(・_・;?
あ~気になる‼

あかん‼寝れないかも
明日、仕事が手につかないわ(; ̄O ̄)

12-03-02 (金) 0:52

今晩は、村雲さん。

なんか、今の自分に重なります。
努力してるのに、なんで結果はでないの?
人生嘗めてるような奴が、良い結果を得るのに、自分は何でって?
よく思います。そして、自暴自棄&愚痴りまくり・・。駄目だと分かっているけど、やってしまうんですよね。苛々して、ムカつく気持ちを抑えられない。
でも、結局は自分の責任は自分でとるしかない。だから、余計つらくなる。
こんな状態がよくあります。山田のお爺ちゃん、僕にも『綺麗な花』を見せて下さい。

管理人 12-03-02 (金) 1:08

hatadesuさん
すみません、一気にかき上げようと思ったら突然の来客が・・・・・・途中で切っちゃうと、話を忘れてしまって書き出すのに苦労したりする(苦笑)

尭さん
ほら、またそうやって求める!(笑)・・・・もうすぐ会えるじゃないですか、やさしさの塊に(爆)自分は「ブァファリン」って呼ばれてる男なんですよ~後の半分は残念ながら劇薬だったりしますけど(笑)

ゆきんこ 12-03-02 (金) 1:21

こんばんは。おそくまですごいですね(驚)
今日もふか~くていい話を聞かせて頂きました(?見る?)感謝です。
見返りを期待しない善意・・愛ですね。
確かに「・・してあげたのに」と思いますよね。若い頃・・に心理学の先生に
 
目の前で自分の子供が電車に轢かれそうになった時、その母親が子供を助ける為に自分が電車に轢かれた。これは母性・・・でなく・・究極の自己愛だ。

って聴かされた時、すべての自分の行動は自分で決定し行動する。ある意味の自己満足である。(・・らしい)

それ以来あまり「・・してあげたのに」 とは思わなくなりました。それより、最近、意外と(ちゃんとみてくれてるな)と嬉かった。
歳くってるから人格がある訳でないし、組織的に雲の上の上司だから偉い訳でもない。

人に媚びない、偉ぶらない、比べない。  私のスタンス。

でも、上手くいかないのが人生ってか?
いくつになっても、歳いっても、迷います。(礼)

管理人 12-03-02 (金) 1:30

ゆきんこさん
乗ってくると夢中になっちゃうんですよね・・・・止まらないんです(汗)まぁこうやって、時々自分を見なおす機会もいいかなぁ~と思いまして。そろそろ寝ます~あ!!メールの返信、もうしばらくお待ち下さいね!

shin 12-03-02 (金) 15:46

はじめまして。
こんにちは。
最近こちらのブログを知りました。
前のものから読んでいます。

こちらの話、とても素敵な話に引き込まれ
気が付いたら涙があふれてきました。

素敵な話をありがとうございます。

ふしみ 12-03-02 (金) 21:32

今晩は村雲さん。
ご無沙汰していてすみません。
いつも素敵なお話をありがとうございます。

どこかでこんな美しい花のようになりたいと思いながら「でも」「だって」「どうして」と叫ぶ自分が心の中に居て。

自分らしさや自分の生き方に拘り、その癖責任を果たせず。

なんて傲慢なんでしょうね。今こう思うこの心が続けば良いのに、日常を送る内に忘れてしまう。

向上心だけは強く持っているのですが、和を尊ぶ心の豊かさ、素直な感謝と反省をする謙虚な心が足りないように思います。

また神様にお言葉を頂きに伺うやもしれません。
私にはまだまだ欠落しているものが沢山あるようですから。

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