- 2014-08-26 (火) 15:24
- 神社
先ほど、「伊勢神宮に参拝に行ってきました~」とおっしゃられる家が代々神道の方がいらっしゃいました。(さっそく間違っていますけどね、正式名称は 『神宮』ですからせめて”伊勢の神宮”と呼びましょう)
その方より質問をいただきましたので簡単に。
「”御垣内参拝”をさせてもらったのですが、あれってお金(初穂料や玉串料)を払えば入れるっておかしくありません?お金を払うって言った時点で説教臭いこと言われましたよ・・・・・」
苦笑いしながら納得・・・・・地獄の沙汰も金次第なんて言葉もありますが、ある自分の友人は御垣内参拝で自分がお教えした『旧天津祝詞』を小さな声で唱えたら注意されたって方もいらっしゃいました(汗)
なにごとにもそこに至るまでの「歴史」ってものがあってですね、、、、、それを短い時間で納得いくように伝えるのは困難だし、だからといってそれは責任でもあると思ってますから知らなかった方が責められるものでもないと思うのですが・・・・・・
今の神道は、数千年の長い歴史と伝統の中で・・・・・・といっても、ほんとは変わったこともたくさんあるんですよ~。たとえば伊勢の神宮、昔は「私幣禁断(しへいきんだん)」、そういわれて 「あ~・・・」 と思い当たる節があるのは神職さんぐらいでしょうか。
「私幣禁断」
律令制の時代、神宮には天皇以外の者が幣物を捧げることを禁じた「私幣禁断(しへいきんだん)」という制度があり、皇后や皇太子であっても天皇の許可を得なければ奉幣できないという厳粛な決まりがありました。
すごい簡単に訳すと、「天皇以外は祈っちゃダメだよ?」って話です。
そもそも神宮は天皇家の氏神様。日本にただ一人の天皇陛下のお仕事は 『日本国民が平和で豊かに暮らせるよう』 に祈ること、これだけは今でもかわっておりません。
これがやいのやいのと言いながら、商売繁盛や恋愛成就など大勢が祈ればそりゃ神職のトップである天皇陛下の大切な通る祈りも届かなくなりますよね~(苦笑)
「私幣禁断」は1811年には廃止されておりますが、ではその間にかの有名な 「伊勢信仰」、たとえば村から一人代表者をだして、村のみんなが路銀をかき集め旅路の経費として渡し、村人それぞれの祈りやら願いをたくす・・・・・・
・・・・・主にこの役は「御師(おんし・おし)」の方々が請け負う形となっていたようでございますが、(ちなみに一年に一度、お札を売り歩いていたのもこの方々) 結局、神宮の中まで入れたかどうかははなはだ疑問でして(汗) 橋の手前から祈ったとしても、御師はそもそも神職でもなく・・・・・・まぁそういう信仰をもといとした生業(なりわい)があったということ程度で、頭の片隅に入れておいてください。やっぱり神様を大切にしたいという心が大事なんですから。心がですね。
さて話を御垣内参拝に戻しますと。
あれは、「お金(奉賛金・初穂料・玉ぐし料)を収めたから、より天照さまの近くで祈れる権利」、、、、、という趣旨ではございません。
昔は天皇陛下(神職のトップ)のみ。お世話係として神職のみ。江戸時代に私幣禁断は廃止されたといっても戦後にようやく閣僚も入れるようになり、今にいたっても「どこまで近づけるか?」は同じ神職の資格所持者でも、その階位や級によって違います。
一般の方でも入れるようになったもともとは、遷宮の際に関しての賛助(賛成して助ける、力を添える)に対しての、『神宮からのお礼』 という形は現代でも残っているはずです。
まぁそれを説明しない神宮が悪いのかどうかは分かりませんが・・・・・
もともと神職(神主)とは黙して語らず。口にださずに背中でみせろと教えられておりますので、お坊さんにくらべて口下手な方が多いんですよ、きっと(笑)
今日来て下さった方と 「今と昔の神道の違いは?」なんていろいろ質問攻めにあいきちんとお伝えさせてもらったとは思うのですが、せっかくなので記事にさせていただきました。
「”何千年から変わってない”ってよくブログに書かれてますが、どうなんですか?」
「え~と、正直ちょこちょことは変わっております・・・・・。」
時間がなくなったのでここまでしか答えられませんでしたが、ブログも長くなったのでこれも次の記事で簡単にまとめさせていただきます!
話はかわりますが、『福岡勉強会(8月31日(日))』 は数名のキャンセルがございましたのでお時間がある方はぜひ。こちらは神道というより、霊能者としての古今のスピリチュアルのお話を多めにさせていただければと思います!
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コメント:4
- いもこ 14-08-28 (木) 8:57
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かつては「伊勢の神宮」に「紙幣禁断」があったということを知り、神様に対する意識が自分の中で又変わりました。
管理人様のブログで神様はいて守って下さっていると改めて感じるこの頃です。自分が信じる様になったきっかけは二歳当時の長男でした。
自宅神棚の下にうっかりゴミ箱を置いてしまっていたのです^^;。訳も分からず息子が神棚を見て「怖いー!」とギャーギャー泣くから、何でだろう?神棚の向きがちがうからか?など考えてみると原因はゴミ箱だと気付きました。その後直ぐに移動したら、一切神棚を見て泣かなくなりました。長男は何でもはっきり話せる様になってからは感が消えた様なので貴重な体験でした。
神棚の下の掃除は心がげたいです。 - 管理人 14-08-28 (木) 14:24
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いもこさん
あ。「私幣禁断」ですからね、お間違えなく(笑) - いもこ 14-08-28 (木) 16:25
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大事な所間違えましたね(爆。誤字多くてすみません(^^;。
- 絢子 14-09-06 (土) 23:54
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はじめまして時々覗かせていただいております。
ボリュームと情報量がありすぎて、ある記事をとっかかりに集中して読んで、疲れて挫折を繰り返し、読破できる日は遠そうですが、楽しく拝見しております。今も正直ちょっとあれこれ連鎖的に読みすぎて疲れてます((+_+))
コメントと質問を少し。
友人とお伊勢さまに行こうと誘われ、この秋に詣でる予定です。
それでこちらで正しい参拝の予習をしよう!と思ったのですが、過去記事で八拍と書いておられるのが分かりません。参考にしようと他の記事を検索しているのですがうまく引っかからないのですが、神職でない一般参詣者が行うことではないという見解も他で見かけたので混乱しております。
お忙しくてレスがない場合はニ拝ニ拍手一拝でお伺いしようと思っています。最低限の礼節さえわきまえていれば私ごときが手を鳴らしたのが二回か八回かなんて神様、わけても天照様は気にされないのではないかと思うので……。
余談ですが、そういえば伊勢とのご縁といえば……と初夏にある住職から「伊勢と出雲の婚姻という形の和解」を小耳に挟んでいたのですが、さっきこのご婚姻のことを調べてびっくり。日付をみると婚姻直後にお伊勢詣でになりそう。
私や友人のルーツは地理的にみても出雲よりな部分がそれなりにあるはずなので、こういった流れに乗っかってる感じなのもご縁というものなのかなと感じ入ったりしました。