なぜお供えものは、「米・酒・塩・水」なの?
・・・それは、神様の大好物だから!・・・・・な訳ないですよね(笑)不思議に思ったことありません?この供物の代表、米・酒・塩・水。酒をチビチビ飲みながら、塩をなめて乾いた米をポリポリとつまみながら水を飲む・・・・・・それではあまりにも神様が不憫です。なぜ「米・酒・塩・水」と決まっているのでしょう?そして同時に「海のもの・山のもの・根のもの・土のもの」などなど、普通に食べられそうなものもお供えする。ところが「米・酒・塩・水」を含めて、海のもの山のもの、果物等も実は順位が決まっています。ではまず、どういう順番なのか・・・・・・あまり厳しくこだわる必要はないと思いますが、神棚を祀る際に知っておいて損はないと思いますので先にこちらから。
「ブログランキング」 「精神世界」
本来、神饌(神様にお供えするおそなえもの)の順位は、
1.米
2.酒
3.塩
4.水
となります。ここに上記以外の神饌が加われば、
1.米(または飯・粥)
2.稲穂(米が「和稲」に対して、稲穂そのものは「荒稲」と呼ぶ)
3.酒(厳密に別ければ、これも白酒(しろき)・黒酒(くろき)・濁酒(にごりざけ)・清酒(すみさけ))
4.餅
5.魚(海魚、川魚)
6.貝
7.鳥(野鳥、水鳥)
8.海藻類(海菜)
9.野菜類
10.果物類(果実)
11.菓子
12.塩
13.水
※ 『神社有職故実』には、「これ等の中で、欠くことの出来ぬものは、米・塩・水の三種である」と書かれております
これ、全部お供えしなければいけないって事はないですからね(汗)出来れば、欠くことの出来ない「米・塩・水」を。それもスペース的に難しければ、上位(米・塩・水)の順番から揃えていく。自分はこれと+酒+その時にあった果物や頂き物のお菓子などお供えしております。榊は神饌には含まれませんのでここには書いておりません。また、お供えものも自分は水と榊の水は毎日。それ以外なら思い出した一日・十五日。それ以外は、、、、、気づいた時・・・・・・でしょうか(汗)
お供えするものによって、お供えする場所が変わりますので覚えるまでややこしい・・・・・・これ、テストに出ます(笑)お神酒の部分で書いた4種類の酒、「白酒(しろき)・黒酒(くろき)・清酒(すみさけ)・濁酒(にごりざけ)」は、
白酒・・・神田で作った酒をそのまま醸造したもの
黒酒・・・木の灰を混ぜて、綺麗なうわずみの部分のみ
濁酒・・・今でいうどぶろくとか、甘酒
清酒・・・今で言われている日本酒と同じ
こんな感じ。祭りの時はきちんとこれは守られ、伝統として受け継がれております。ちなみに魚をお供えする場合は、ハラワタは神様の方に向けて。また「頭部」に当たる位置は正中(神棚・神殿より垂直にまっすぐ下ろした中央線)に向ける。
野菜は、伸びる方角(ホウレン草なら上、にんじんなら下)を上位とし、その上位が上に来るように盛りつける・・・・・・などなど。一般家庭でここまで徹底するのは難しいですし、まぁ一つの知識として。神社にいって間違ったお供え方をしてたらそこの宮司さんに指摘してあげて下さい、、、、、絶対、嫌がられますから(爆)
ただし、良い逃げ道(?)として『一社の故実』というものがあります。
これは何かといえば、「いやいや、ウチの神社では昔から・・・・・・・」と独特の伝統を伝える(笑)指摘されれば、これを得意とする神社も多いですのであしからず。
・・・・すみません、話が横道にそれました。
たとえばお米。これは今の日本人の主食になっているぐらい、大切なもの。また稲作を行う中で、農耕民族に移行する際に「共同体」というかけがえのない概念を身につけました。(神様の発祥の地ってどこ??の後半)
なのでお米が供物の順位の第一等なのは良く解ります。それに続く、米の加工品である酒や餅が続くのをみれば、どれだけ米に感謝し日本人が大切にしていたのかも解ります。
塩は人間の体に必要不可欠。塩は母なる海からの贈り物。その海水を乾燥させて得られる塩は、目にはみえないミネラル分などを含みそれらが解明できなかった時代であっても大切に扱われ、時代によってはとても貴重で他の国に輸出する最高の品としても扱われました。
人間の生活に必要なものとして水。人間の体を60%作ってる、この水にしてもまた同じですね。さらに「清めや祓い」で水の存在はとても貴重なものとも言えます。
そして、もうお気づきの方もおいでかも知れませんが、「欠かせない三品」とそれらの存在を加工(醸造・精製)して出来るもの。これらは物質として貴重で人間には必要不可欠の他に、その物質を元に「加工」して得られた「知識」そのものにも感謝の心を込めてこの三品+酒が選ばれているんではないかと思います。
ちなみに、お酒の発見なんて本当に奇跡に近いものがありますよ。
木の股(うろ・くぼみ)に溜まった雨水に木の実や果実が落ちて自然の内に発酵した。それを、どこぞの誰かが「ん?なんか良い薫りがする~」とススって飲んだら・・・・・これがまた美味!ってことでそれを自分達の手で作りだす「酒」が手に入った訳です(縄文土器から、木の実や果実を発酵させた後が発見されております)・・・・・・よく最初の人、飲んでみようと思いましたよね・・・・・・・・・でもその勇気のお蔭で、今の自分達は酒が美味しく飲めます。
酒を飲んで良い気持ちになって、頭がぼんやりしてきた方が神様とコンタクト取れやすいと考え出した(修験道でいう護摩焚に近いものがありますね)人もすごいと思う。ただ酔っぱらって、良い気持ちになるためだけにある訳ではないんですね(笑)だから神様が酒が好き!というより、神事にはお酒が欠かせないんです!
長くなったのでここいらで終わります!
その存在自体のありがたみもさることながら、それを手に入れられた奇跡やさらなる恩恵に感謝を込めて・・・・・皆さんも神棚にお供えして下さいね~
- 次の記事: 大阪出張鑑定のお知らせ!
- 前の記事: 「千と千尋の神隠し」のその後
コメント:15
- 小菊 12-04-18 (水) 13:52
-
すごいすごい!!
私、小さい頃から不思議だったんです!
神様って、なぜお米とお酒、塩、水なのか。
質素にするのがいいのかな?なんて思ってました。
そうか~そういうことなんだ!
なんだかスッキリです。
ありがとうございます。
あ、私は意地悪っ子なので神社で見つけたら神主さんにつついちゃいそうです(笑) - 煌瀧 12-04-18 (水) 14:19
-
いやね、ご先祖さんのおかげて言えば、食べ物ですよね。
だって、野菜なんて、もともと草やし、根菜なんて根っこやし、現在でも、にちりんそうとトリカブトを間違えたりキノコが毒キノコやったりとかあるんすよ。
最初に食べた人たちは命がけ、しかも、現在と違い苦い、固いとかでしょ野菜じゃないから。(一回浜大根(野生の大根)食べてみたけど、固いし、苦かった)さらに、現在とは違って、病院へというわけにもいかない。
それを命がけで食べたおかげで、自分らは旨いもんが食える。
魚だって同じだよね。
いやー感謝です。 - フウト 12-04-18 (水) 14:56
-
神饌も調理しない生饌と調理する熟饌があるらしいですね~、伊勢神宮では神職の方がげがれのない火を得るために木をこすりあわせて火をお越し調理するとか。
順番があったなんて知りませんでした~勉強になりますね♪ - 尭 12-04-18 (水) 18:26
-
こんにちは、村雲さん。
ハイ!ハイ!先生ぇー!質問です!(笑)
自然神の方々は分かりませんが、人格神(菅公をはじめとした、元人間の神様)は好き嫌いもあれば、大好物もあると思います。
やはり、そんな人間臭い所もありますか(笑)
あと、神社でお祓いを御願いすると頂ける、砂糖菓子(?)は、何の意味があるのでしょうか? - kabosu 12-04-18 (水) 20:00
-
酔っぱらって、良い気持ちにさせて、なめらかに色々なお話をしてもらう魂胆を持って 村雲さんにお酒を勧める事を誓います!!
でも、本当に昔の方達は命がけで食べられるものを残して下さったと思います。
私は ある野菜のアクで死ぬかと思うような経験をしました・・・。 - りょう 12-04-18 (水) 23:23
-
管理人さん、こんばんは。
お酒にも種類があるんですね。今後のためになりました ありがとうございますm(__)m - あかりんぱ 12-04-19 (木) 0:35
-
こんばんは!昨日のコメントのお返事で、断言していただいたのが嬉しくて、まるで赤ペン先生に丸もらった感じで(笑、ありがとうございました!!
お供え物のお話、すごくためになりました!前に、ある霊能者の方がうちの小さな神棚を見て、「塩は仏ですから、あまり神様には必要ありません」と言われ、「えっ!?そうなんですね!」と言ったものの、なんかやっぱり自分の中で消化出来なくて、、神社にも塩お供えしてあるし、、やっぱり塩はそのままにこんもりお供えしておこうと決めて、お供えしていたものの気になっていたので、すごくすっかりしました!!ありがとうございます!!
それから、近々新しい家に引っ越しするので、それにあたり、どれくらいの神棚にしようかなとか、引っ越しするときに神棚はどうしたらいいのかなぁと考えておりまして、、良かったら引っ越しの際の神棚の扱い方と、何かタブーなことがあれば教えていただきたいです!!よろしくお願いいたします!!新しいおうちにも新緑の榊たちを持って行ってもよかでしょうか?(*^^*) - ムナ 12-04-19 (木) 12:52
-
ほ~!
こうゆう事って 知らないんですよね。
日本人として知っていなければいかんと思うし
伝えていかないと と思います。 - あかりんぱ 12-04-19 (木) 16:29
-
すいません!!村雲さんの昔の日記を読み返してたら、私色々間違ってたなと思って、、また改めて勉強させてもらいました。神様のこと、仏様のこと。そしたら、なんか変なこと書いたかも~と反省していて(((^_^;)
失礼しました~!!
また日々頑張ります~、てなんのこっちゃ(・・;)わからんですね!!こういうとこで、きちんと思いを伝えるのって、難しいー!苦手です、すいません(>_<) - 管理人 12-04-20 (金) 1:26
-
小菊さん
だめですよ~あんまり神主さんをいじめちゃ(笑)でもきちんと教えられているんです、間違った時はそのままやり通すか、「一社の故実」で対応しなさいと(爆)・・・・・・自分?自分レベルになると、一社の故実よりも個人の故実ですよ!(爆)
煌瀧さん
ホントですね、、、、今まであまり意識してなかったけど、確かに今の祖先達が命を賭けてくれなかったら、今の自分の美味しいモノはなかった訳か・・・・・そして今の肥満もなかったはず・・・・・・・いやいや、本当に心から感謝します。「頂きます」に感謝を込めて。
フウトさん
おぉ~よくご存じですね。調理しない生饌(丸物神饌)と調理する熟饌(調理神饌)の他に、素饌(精進神饌)やその他、「特殊神饌」というものまでございます。ちなみに神宮の外宮は内宮に調理する為だけに存在し祀られてる神様だったりします!昔は、「炊いたお米を上げてるおばあちゃん、かわいい~」とか思ってたけど、本来はこれが正解です。明治8年の神社祭式で一律にする為に今はほとんど丸物神饌に移行しました。
尭さん
あります、あります。個性の塊ですよ皆さんは。自分も知ってる神と知らない神がいらっしゃるので一慨には言えませんが、、、龍神様・猿田彦様はお酒が好き。女神様はやっぱりお花や髪飾り・扇子を所望される方が多い。なぜか練り物や練り物を加工したもの(生じゃない餅やたこ焼き等)は皆、嫌われる。山の神系は海の物が好き、反対もまた然り。それぞれ個性はあります。ちなみに道真様は、「真っすぐな信念」を持つ人間を好まれるという事でした~人間と同じ、似た性格がやっぱり好きなのかな?? - 管理人 12-04-20 (金) 1:34
-
kabosuさん
自分は酔っぱらったらすぐに寝ますからっ!!もしくは同じ話を何回もしますよ~いらん事ばかり誰かに似てしまって(笑)同じ話を繰り返しだして呂律が回らなくなったら何気に酔ってますので、やさしく寝かしつけて下さい(笑)
りょうさん
でもよっぽどの神祭じゃない限りほとんど使わない知識でしょ(汗)ちなみにお酒が一対(2個)あるのは、2種類のお酒を献上してた名残でもあります。
あかりんぱさん
あまり知識だけで走るのもですね、、、まぁウチのブログも同じですが(苦笑)引っ越しの際の疑問点は良かったら村雲村を活用されてください~皆の役に立つかも?榊は枯れてなかったら持っていって貰っても構わないですよ!
ムナさん
もう一つすっげー面白い話があってですね、、、、どうやって神社祭式に規定されるかと言うと、やっぱり日常の「道」が形になってる訳ですよ。と、いうことは皆が道でやってみた結果、一番良いだろうとされるのが4年に1回、改正される訳ですね~まずはやってみる。教である「規定や規約」、やっぱり道から生まれてくる訳です。 - ムナ 12-04-20 (金) 21:00
-
管理人さん
そうゆう話を沢山聞きたいですね~!
勉強会のテーマいろいろありそうですね(^^) - 管理人 12-04-21 (土) 0:49
-
ムナさん
でも残念なことにですね・・・・・多分、勉強会も出張鑑定も今年いっぱいで終わりそうです。自分、そろそろ神社に4~5年勤めないといけない状況に追い込まれてきました(泣)自由が欲しい、自由じゃないと嫌だぁ~・・・・・・・・って泣くふりはしてるんですが(爆) - フウト 12-04-22 (日) 2:31
-
実は私も炊いたお米はあげてた時期があります(笑)
北九州の嫁の実家に住むようになってまわりからおかしいと言われ今は丸物に戻していますけどね(笑)
昔祖母の家でも稲穂は収穫時期にあげてましたね~懐かしい
特殊なのもあるんですね今度教えてくださいね♪ - けん 16-11-01 (火) 14:34
-
大変参考になりました。
うちの中に神棚を設け奉ろうとしているところなもので。
私の好きなポテチや 子供の好きな柿ピーをお供えしては
どうかと思ったもので。