- 2021-05-23 (日) 2:24
- 教訓
そう来たか。
先日、お世話になっている方が職場に遊びにフラリと立ち寄ってくれて、
「おぉ、村雲久しぶりだな。なんか、前より太ってないか?」
「そうなんですよ。コロナ太りってやつでして。へへへっ・・・・」
と言い訳するのも最近は飽きてきたので、
「はい!今年から、”旨いもの” しか食べないって決めたんです!」
と張り切って答えたら、相手の方から・・・・
「なるほど。そう来たか(笑)」
と。「そう来たか」との言葉を聞いて、一瞬脳裏に浮かんだのは、父の顔でした。
父との想い出の中で、『将棋』はそこそこ占めておりまして。
昔から家にあった本を読んでいた小学校3年の時、たまたま手にした「詰将棋」の本で将棋を覚え、あまりの面白さに学校の将棋クラブに入って、家に帰れば父とよく指しておりました。
まぁ、実力は・・・きっと後半は自分の方が断然?強かったと思います!
将棋クラブの顧問の、O先生を最後は負かしてたぐらいの腕はあったので・・・・まぁ、O先生がどのレベルかはさておき、先生が「参った。」と言った瞬間、教室のクラブ内が
「おおおおぉぉ~~~~!!!!!!」
とどよめき、その声の心地よさは今でもしつこく覚えております(´ー`)
で、将棋を覚えて実力もあがって楽しかった頃、父と指しつ指されつの中で、ちょっと難しい顔をしたフリをした父の、いつものセリフは、
「そう来たか。」
そう来るのは分かってたよぉ~・・・・との負け惜しみの雰囲気を残しつつ、実際にはこのセリフを吐いて一瞬、間を置いて心は退き、退きつつも次の一手を考える。
これもバリエーションがいくつかあって、
「そう来たか。」
「そう来ましたか。」
「なるほどねぇ~そうかぁ~」
ま。主に音程が分かるだけですけど(笑)
もう少し余裕がある時は、
「ほぅほぅ、そう来たか。なるほどねぇ~・・・。」
ちょっとセリフが長くなるのもクセ(笑)
(ちなみに、調子が上がっている時は「歩のない~将棋わぁ~負け将棋ぃ~♪」と歌いだす(笑))
このセリフを聞けば、、、、うん、我ながら良い場所(相手が嫌がる場所)に指したに違いない。。。と自分は内心、ニンマリ笑えて(実際、父がここから考える時間が長い)ウキウキしながら次の手を待つ。
この、「そう来たか」(出来れば、「ほぅほぅ、そう来たか・・・」)のセリフはとても大切で、目の前に問題が出てきた時や、意表をついて出てきた現実も、まぁ余裕がなければないほど、まずはこのセリフを吐けば、不思議と余裕が生まれてくる(´ー`)
だから、まずは「ほぅほぅ、そう来たか。」が大切。
頭はフル回転させても、口では「そう来たか。」これでまずはOK。
相手はきっと、この手を指してくるに違いない。その後は、今度は自分がここに打って、そうすれば相手はこの駒をこう動かして・・・・・
本物の将棋のプロなら、何十手先まで、あらゆる局面を想定しつつ、先を読まれるそうですが・・・あんまり考えすぎても、最初の一手が違えばその分、ショックも大きいですしね(笑)
それで焦ったり、苛立ったりする方がアホらしくなってくる。
・・・まぁ、現実は思った通りにはなかなかいきませんしね(;´∀`)
勝負ごとはなるべく勝ちたい派ですが、おそらく父も勝ち負けよりも「この一局を楽しみたい」って気持ちが大きかったんじゃないでしょうかね、、、、ま、本当のところは知りませんけど(苦笑)
時々、「あぁ、もう止めたっ!」って吠えてましたけど。ま、真実は分かりませんけど。
今の自分から言えることは、将棋も人生の壁も、
「そう来たか。」
の言葉が多ければ多いほど、最終的な勝率は上がるってことです(´ー`)
で、将棋をそこそこ教えてくれた父に敬意を表して、見事に接戦をモノにした自分が言うセリフは、、、、確かこれも覚えたてで当時、気に入っていた言葉。
「青は藍より出でて藍より青し!」でした(笑)
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