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自然から愛された神。五十猛様のお話⑦

  • 2014-11-30 (日) 18:11
  • 神様

つづき。

老人の声は静かに、しかし途切れることなく続きます。

「・・・・・あるわしらの氏神様はの。いずれ地を掘りすぎれば、かならずやその災いは避けられぬ。土の神の怒りをかう・・・・・・同じ一族同士で血を流しあう時がくるじゃろうと予言し、”土を育てよ” との言葉を残した。しかし、今のわしらをみてみよ・・・・・その予言は虚しく、ある者が必要以上に土を掘り今のこの国を作った。みづかね(水銀)はいろんな使い道に使われ、多くの国より求められ、わしらに多くの豊かさを与えてくれたが・・・・・今度はその豊かさを永遠に守りたいと願うものが現れての・・・・・・なかには ”不死の病の薬” と謳うものまであらわれ・・・・・・・・」



人はより豊かになろうとする。今の生活を忘れ、さらに上を目指しある者は願い、あるものは行動を起こす・・・・・その結果、与えられたものに感謝なく、自分の身をわきまえぬ者々は、豊かさと同時に手に入れたものを失う ”恐れ” まで手に入れる。

それは、天の神々や祖先である氏神様へに対しての ”畏れ” と違い、自分の想い・自分の欲だけで心を満たしてしまう行為・・・・・・


それは幾たびも父神に従い、一族や家族、仲間のためと思い多くの命を奪ってきた五十猛様も感じてきた想いでもありました。


「・・・・・しかしの、これは仕方のないことやも知れぬ。天の神はそうしてわしら神々をこの地に生まれさせてきた。人はより豊かに生きたいと願い、その為に悩みや災いから身を守りたいとまた天に願い、天を敬い畏れを抱いてきた。欲のお蔭で知恵も発達し、より幸せを感じれる生を味あわせてくださるの・・・・・・しかしの、欲とはまことに恐ろしいものじゃ。同じ ”おそれ” にしても、己一人の想いのみで心で満たすか、そこに天をも含めた感謝で満たすか・・・・・・まぁこれも、天の神の一つの賭けじゃったのかも知れぬの・・・・・ハハ・・ハハハ・・・・・・・」


老人の乾いて漏れる息が笑い声だったことに気づくのに、しばらく時間が必要でした。


「わしは今日、ひとつの戦に勝った。・・・・・・それは息子殿、ぬしと出逢うたからじゃの。」


「・・・・大王・・・・否、ご老人・・・・・・わしと出逢ったことが一つの勝ちでございましたか?」


「・・・・そうじゃ。一つの勝ちじゃ。そして次の戦にはなるが・・・・・・五十猛殿、わしの最後の娘、丹生津を嫁にもろうてはくれまいか?」


「嫁に、、、、姫をわしの嫁にですか?」


ある一族の歴史と、そして今の自分の心とがごちゃまぜに合わさり、どこか物語に心をゆだねていた五十猛様はその一言で一気に現実へと戻されました。

当時は一夫多妻の習わし。攻め勝った一族が負けた一族の姫を嫁にしたり、またはじめから一族の結束力、力をつけるために今でいう ”政略結婚” や、一人の女性に対して兄弟が交わりを持つことは当たり前の時代、、、、、少年も精通がはじまれば父となり、少女も初潮を迎えれば母となる。


最近では、近親相姦によるヒルコ神の出産が多く、父神スサノオ様が 「母と子が交わることを禁ずる」 という令を一族の掟としたばかりの時代でして、人口を維持し一人でも多くの神を生み出すこと・・・・・・・いえば、一人でも多くの生産力を産みだすことが第一優先事項だった時代・・・・・・

現在の貞操観念と比べるとおそろしい事になりますけどね(苦笑)


「・・・・しかしご老人。わしは男としてすでにとうが立っており、多くの息子神も孫の神もおります。また今の丹生一族の者らとの争いの火種にはなりますまいか?」


「ハ、ハハ・・ハ・・・・・心配はいらぬ。わしの息子らも随分と数も多かったが、そのほとんどが争いによって先に黄泉の国へいき、今ではあの娘がわしの最後の希望じゃよ。気が強く嫁には向いてはおらぬが、ああみえても根は優しくまことに神を敬う心も持っておる。・・・・・残念なことにあの娘はこの国から出してはおらぬで、大きな世界を知らぬ。・・・・・・・そして、わしの次の戦になるが、あの娘を伴い、ここより遥か東の東の東の国へいってはくださらんかの・・・・・・・・」


「・・・・わ、わしが東へ・・・・・・・・・」


「そうじゃ。太陽が昇る方へとここより歩いていってくれれば幾年か経って大和と呼ばれる地がある、、、、、息子殿もまったく縁のない地でもなかろう。」


五十猛様は丹生の長の最後の一言で、(この老人は本当に今まで床の中で戦をしていたに違いない)と、確信しました。

丁度今から数年前になりますが、五十猛様の弟にあたる大年神、後に「天照国照彦火明櫛玉饒速日命」と諡(おくりな:死んだ後に呼ばれる名)で呼ばれるスサノオ様の息子神が、名だたる三十二神を引き連れその地を制圧に向かっておりまして、そこで無事にその地を治めているとの話を聞きました。まだ幼かったのですがその中には五十猛様の孫にあたる「天の村雲」と呼ばれる神もいました。


(このご老人は床の中にいても、多くの目や耳を持っている・・・・・戦というて己の人生と今でもこうして戦っているのも嘘ではあるまい・・・・・)



五十猛様の頭の中はいろんな想いが駆け巡っておりましたが、それに追い打ちをかけるように老人の話は続きます。


つづく。

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